最高裁が画期的な判決を下したという。最高裁の判決は、法律の解釈の一例だから法律そのものとも言えるので重要だ。最高裁は、子どもの遊びでサッカーボールが校庭から飛び出し、それが原因でオートバイから転倒し死亡した事件について、親の監督責任は問えないとの判断を示した。従来は、民法に則り未成年者の過ちはそれを保護監督する親に責任があるとされていた。事実、その種の事件は尽く親の責任が追及されていた。その解釈に従えば、サッカーボールは親の責任になるのだが、それを覆した。最高裁の裁判長は「通常人に危険が及ぶと思われない行為では事故が起きるとは予見出来ず、親は監督責任を負わない」とした。まさに画期的な判断ではあるとは言えるが、同時に何を今更とも思う。そう言えば、民法が1896年の制定以来初めて改正される。120年近く経てこれだけ世の中が変わったのに今頃改正するとは遅きに失したと言える。今回の最高裁は法の解釈を少しだけ先取りしたようだ。常識的には最高裁の判断が正しいと思う。と言うよりは何故最高裁は今まで常識的な判断をしなかったのだろうと疑問が芽生える。色々考えると、今回の事例は最高裁が法解釈の世界からやっと常識の世界に近づいた証明なのかもしれないと思えてきた。
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