理化学研究所の野依理事長が退任し、後任に松本紘前京都大学総長が就任した。野依は12年間理事長を務めた。その間は予算が減り続け20%に当たる200億円も減少した。研究不正を防ぐことも後始末も出来なかった。しかも予算について理事長の裁量権は殆んど無かったというから、単にお飾りで御輿に乗っていたに過ぎなかったことが証明されてしまった。その後任は如何なる人物なのか興味深い。日経によると、松本は京大で改革手腕を発揮して世界のリーダーを育成する道を切り拓いた実績があるとのこと。理研の現状を見据え、抱負を語っている。研究不正で損ねた信頼を回復させることは当然だが、理研の総力を生かすため各センターの独自性を保ちながら横串を通す工夫をしたいと言う。更には若手を伸ばす新制度作りに取り組むこと。限られている産学連携企業を広げ産業界に研究協力を訴える為組織を改編すること。成果主義に偏っている研究者たちには、如何に社会貢献するかどのような社会に変えていくのかビジョンを明確にしていくこと。等々改革内容も方向性も明確かつ具体的だ。御輿の行方を決める担ぐ人にも見える。何故か改革が成功するような予感がする。この感じ方は、サッカーのハリル監督の登場時と似ている。サッカーも科学研究もプレイヤーが伸び伸びと実力を発揮出来る状況を提供し、世界トップレベルの戦いに参戦してほしいものだと思う。
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