1票の格差が2.13倍だった昨年末の衆院選は憲法違反だとして争われた裁判で、大阪、名古屋、広島高裁は違憲状態ではあるが選挙結果は有効という判決を出した。定数の0増5減では格差は解消されていないという判断だ。それもその筈、最高裁は前回と前々回の衆院選に違憲状態と判決し、1人別枠方式が格差の要因として廃止を求めているのだから。最高裁は、現在の格差は明らかに違憲だが是正には多少時間が必要でしょう、と言っているようなものだ。今回の判決に対し、自民の細田幹事長代行は「是正は国勢調査ベースでやることになっており原告の住民票ベースの訴えはおかしい」などと重箱の隅を楊枝でほじくる的外れなことを言っている。これは判決に難癖を付けているだけであるし、2倍以下であれば格差は無いと考えているからだろう。裁判所の思いやりに政治家が甘えているという構図に見える。裁判所は、明らかに違憲だと断定し、選挙を無効にすべきだと思う。無効になれば全議員が職を失って大混乱に陥るだろう。しかし格差是正にはそのくらいのショック療法が必要だ。断行してこそ、裁判所は正常に機能し始め、政治家は褌を締め直すことになるはずだ。
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