テレビ番組「所さんそこんトコロ」の「白黒写真をカラーに」が面白かった。古ぼけたセピア色の白黒写真を、当時の色を復元したカラー写真に替えられるという。始めは塗り絵みたいに後から適当に色を付けるのかと思ったがそうではない。赤とか青などの色相は白黒写真に写すと夫々の色が独自の明度を持った灰色に写る。逆に白黒写真の各部分の明度を測定すれば元の色が分かるという原理らしい。番組では空襲で焼失して今はない今半御殿の白黒写真の色を復元していた。白黒写真の暖簾が藍色に、街灯が緑色に、欄干が朱色に見事に復元されていて当時の豪華さを忍ばせていた。また、駆け落ちして夫婦になった日に撮ったという夫婦は、その復元写真を見て当時を思い出したのか目に涙を溜めていた。セピア色の写真は記憶を思い出させるが、カラー写真は当時の感情までも呼び戻すようだ。そこで気付いた。思い出はセピア色とは歌の文句だが、どうも人間の記憶はカラー化されているに違いないと。
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