今日は車のお守りを兼ねて、隠れ宿的穴場の旅館に一泊。チェックインは午後2時でチェックアウトは午前11時。滞在時間がたっぷり取れるので、恰も自分たちが独占しているような気持ちになれる。隠れ宿的なので一晩に3組しか泊れない。全室露天風呂付と書いてあったので、その宿に決めたのだが温泉とは書いていない。ひょっとすると水道水かもしれないと疑った。ところが入浴すると間違いなく温泉なのだ。宿の主人に事情を聞くと、温泉の定義から少し外れているので温泉とは宣伝出来ないのだと言う。ここに暖かさを感じた。暖かさは続く。何故なら炭火焼料理がメインなのだ。夕食はボリュームで圧倒するのではなく、質で迫ってきた。清少納言の枕草子ではないが、おいしいもの、栄螺の身は暖め、肝は煮付け。海苔と酒盗の茶碗蒸し。岩塩で戴く白身魚の刺身。野菜や伊勢海老、牛肉は炭火焼。中でも生まれて初めての経験で、あの身近な食材がこれほど変身するのかと感心したのが長ネギ。はぼ20cmに切った丸々と太った長ネギを囲炉裏の網の上に置いて、何度もひっくり返しながら15分か30分。そして長手方向にナイフで割き3等分にしろと言う。長ネギがトロリと甘い物質に変わっている。しかも表面の薄皮一枚まで剥げと言う。その薄皮2枚3枚はシャキシャキとしていて、しかも甘みがある。こんな長ネギ見たこともないし、食べたこともない。恐れ入谷の鬼子母神だ。世の中に勉強努力する人は限りが無いものだということを実感させたれた楽しい車のお守の日だった。
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