水素で走る燃料電池車が脚光を浴びているが、近い将来その水素が二酸化炭素に替わるかもしれない。温暖化の元凶と言われている二酸化炭素からメタノールを作る夢のような技術の実用化が近づいてきたようだ。人工光合成が日本で進化を遂げている。植物は光エネルギーを使って二酸化炭素と水を分解し炭水化物と酸素を作っている。人工光合成とは、水と二酸化炭素を分解して一酸化炭素やメタノールを生み出す技術だ。半導体パネルで太陽光を受け水を酸素と水素イオンに分解し、その水素イオンで二酸化炭素を一酸化炭素に変え、更にメタノールに変えることが出来る。東芝がエネルギー変換効率を1.5%に高めることに成功したと発表した。トヨタよりも40倍高い。採算ラインの目安は10%とのことだから、あと1桁改良すれば実用化が見えてくる。東芝のブレークスルーは太陽エネルギーの使い方だ。従来は紫外光しか利用出来ない酸化チタンや窒化ガリウムなどの半導体を使っていた。だが紫外光は太陽光の3%しかない。そこで54%ある可視光の利用を思いつき、シリコンやゲルマニウムが可視光を効率的に吸収できることを発見したとのこと。人工光合成の実用化に向けた実証実験は経産省の「エネルギー関係技術開発ロードマップ」に計画されている。人工光合成のインパクトは燃料電池など較べものにならないほど大きい。またまた日本で革新的な新技術が開花しそうな気配。日本の技術者畏るべし。
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