川内原発1・2号機に続き、高浜原発3・4号機も原子力規制委員会は新規制基準に適合していると結論付けた。事実上の審査合格となり稼働が現実的になった。だが新規制基準に通れば安全は確保できるのだろうか。現行の新規制基準は、非常用電源の確保とある程度の高波に耐えられることがポイントだ。想定される事態が発生してから7日間原発が持てばOKが基準だ。新規制基準の理念は想定外の事態を想定し対策を取ることだったが、それは何処かに行ってしまった。高浜原発にはトンネルから入る1本の道路しかない。しかもその沿道は崖の崩落や土石流の警戒区域になっている。常識的に見れば、もし大地震が起きればトンネルは塞がり道路も遮断され、救援部隊や機材は長期間救援に向かえないことになる。だが新規制基準にはそのような事態は含まれていない。原子力規制委員会の田中会長は検討済みとは言うが、代替ルート建設の検討はなされていない。高浜原発は、新規制基準を満たしているかもしれないが、安全は確保されていないのが現状だ。原子力規制委員会は原発の技術だけしか検討しない。この状況が続く限り原発再稼働はあり得ない。
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