ノーベル賞受賞者の赤崎さんや天野さんや中村さんがストックホルムに到着してからの行動が報道を賑わしている。天野さんと中村さんはノーベル博物館を訪問しカフェの椅子に恒例のサインをしたとのこと。そして嘗てiPS細胞の山中さんがノーベル賞メダルをかたどったチョコレートを千個買ったことを見習って、数百個のチョコレートを購入したようだ。授賞式が終わり帰国すれば、そのチョコレートが多くの知り合いに受賞の喜びを分かち合えることになることは間違いない。お目出度くて浮かれていて、結構な事だと思う。しかし一方、本物のノーベル賞のメダルが競売にかけられ売却されたとのニュースもある。売却したのはDNAの二重螺旋構造を発見したあのワトソン博士。現代の分子生物学の発展に決定的な影響を与えたことで有名だ。お蔭で今は犯罪捜査だけではなく生物の起源についても有力な手段になり社会に大いに役立っている。そのワトソン博士が何故メダルを売却してしまったのだろうか。とても興味ある出来事だ。ニュースによると、存命の受賞者による競売は史上初で、落札額は約6億円。goldとしての価値と較べると100倍以上の値打ちがある。しかし売却の目的は、シカゴ大やインディアナ大への寄付だという。ワトソン博士の科学に対する情熱と、近代社会の科学に対する軽視とが要因であることを、物語っているように見える。日本のノーベル賞受賞者たちはこのニュースを聞き、果たしてチョコレートを取るのか、メダルの価値を取るのか、興味津々だ。
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