東海道新幹線の開業から50年となり、来年度には函館から鹿児島まで新幹線のレールで結ばれることになる。新幹線の新設は果たして前進なのだろうか、はたまた後退なのだろうか。移動だけを考えれば、航空網が発達しているので地上の鉄道敷設は時代錯誤とも言える。事実、東京から出張をする場合、北海道や九州などの遠い所は鉄道ではなく飛行機を利用する。新駅の誕生に地元は、工場誘致による雇用の創出や観光客と人口の増加を期待するが、新幹線の駅が出来たからと言って、その街が繁栄するとは限らない。山陽新幹線の新尾道や東北新幹線の二戸駅は閑散としていて乗降客も疎らだ。寧ろ中途半端な新駅は、地元の財政を圧迫するだけでなく、人口減をも招くようだ。だが個人的に旅を楽しむ人にとっては、新幹線の新設は魅力的だ。来年3月には金沢まで新幹線で行ける。再来年3月には函館まで行ける。金沢や函館などの有名な観光地は更に発展していくだろうが、問題は途中駅だ。幸か不幸か新駅を作ってしまった地元の人には、災い転じて福となすよう画期的な集客対策が迫られている。旨い話には毒が付きものだ。
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