当たり前のことだが、今更驚かされ、そして感動するニュースがあった。ユダヤ人とパレスチナ人からなる混声合唱団が今日から日本で公演するという。米エール大で音楽を学んだユダヤ系米国人が、音楽を通して平和の原動力になってほしいと一昨年に設立したようだ。メンバーは高校生でユダヤ人とパレスチナ人が半数ずつの30人。練習や対話を通して互いを理解するようになり「対立するどちらにも良い人も悪い人もいる」と話すようになったとのこと。来日を契機に日本の高校生とも交流をはかり、公演では東日本大震災の復興支援ソング「花は咲く」も合唱するようだ。まさに理想的に武力に頼らない方法で紛争を解決する世界を望みたいものだ。この合唱団の最大の功績は、合唱は別として「対立するどちらにも良い人も悪い人もいる」ということを、互いに認識したことだと思う。原理主義者や国粋主義者には「自分が正しく他者は間違っている」という基本思想しかない。自分たちの価値以外は認めない。それ以外を堕落とか不浄と見做す。この考え方では何処まで行っても妥協点はない。だが合唱団団員のように、ほんの一歩下がって「対立するどちらにも悪い人はいる」ということが分かれば物事は前進する。きっかけは対話だ。顔と顔を合わせ、意見を言い合えば必ず相手も気持ちが分かるはずだ。昨日のオバマに飲ませてあげたい薬でもある。
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