近所の垣根にアサガオが咲き始めた。もう夏はすぐそこだと感じさせる。だが俳句歳時記によるとアサガオの季語は秋。盛夏から咲き始め立秋以降も9月半ばまで絶え間なく咲き続けるかららしい。夏の朝の夜露に濡れたアサガオは清々しい。咲き続ける期間は長いが、その一つの花の命は極めて短い。今日咲いたアサガオは明日には萎んで、明日咲くアサガオの花の後ろに隠れてしまう。林芙美子が自らの半生を詠った「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」の花はアサガオなのかなと勝手に思ったみたりする。ところが、茨城の研究所がアサガオの老化抑制に成功したとのこと。花弁の老化を促進する遺伝子を特定し、遺伝子組み換えにより、開花時間を倍に延ばすことが出来るようになった。今朝咲いた花が翌朝も咲き続け、翌朝に咲いた花と共存する。時間の経過で色が変化する品種だと、同時にその色変化を楽しめるようだ。開花の寿命が延びたと言ってもたったの1日、とバカにしてはいけない。ヒトであれば80歳が160歳に延びたことに相当する。花の老化の基本的な仕組みは、他の花も同じらしいのでこの技術は開花するかもしれない。そうなることを願いたい。なにしろ花の命は悲しいくらい短いのだから。
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