タイの憲法裁判所は2月に行われた下院総選挙に対し無効の判定を下した。野党の抵抗で一部の地域が投票未実施で最終確定が出来ず、再投票を行うことになっていた。その2月の選挙を憲法裁判所は無効と判定したのだ。まさにタイの憲法裁判所は「法の番人」と言えそうだ。それに較べ日本はどうか。2012年の衆院選では、2.4倍の格差があり、2010年の参院選では、5.0倍の格差があった。だがそれに対する最高裁の判決は「違憲状態ではあるが選挙結果は有効」だった。国民一人ひとりの権利を保障する日本国憲法に照らしてみれば、違憲状態ではなく、明らかに違憲で再選挙すべきものに違いない。タイに較べ日本は、政権に対し司法の独立性が薄い。まさに日本の最高裁は「政権の番犬」と言えそうだ。同じ裁判所という立場でありながら、一方は番人として行動し、他方は番犬として振る舞う。どちらが先進国と言えるのだろう。経済規模の大きさだけで先進国などと自惚れるのは成金趣味の極みとも言える。日本は名実ともに先進諸国の仲間入りを果たす努力をする時が来ているように思う。
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