健康志向で自転車ブームが続いている。休日になるとスポーツタイプの自転車にヘルメットを被った人を良く見かける。健康的な風を感じる反面危うさも感じてしまう。先日赤信号の交差点に突っ込んだ自転車が女性とぶつかり死に至らしめた事件の判決が出た。刑事裁判では禁錮2年執行猶予3年、民事裁判では損害賠償4700万円の判決。無謀な運転で死に至らしめたのだから、当然と言えば当然だが、何か違和感がある。自転車が自動車並みの賠償額になったことには、違和感ではなく時代の流れを感じる。昨年検察庁は悪質な自転車運転を立件する方針に転換したらしい。それはそれで良いのだが、自転車に対する司法体系のアンバランスに違和感がある。競技用のブレーキのないピストに乗り一般公道で悪質運転を繰り返すと安全講習が義務付けられた。だが公道をピストが疾走するということは、謂わば刃物を振り回しながら走っているようなものだ。刃物を振り回す者には、安全講習ではなく逮捕が必要のはず。しかし一概に罪を重くすれば良いというものでもない。自転車運転の安全向上は大人の知恵の出し所だ。
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