JR北海道で保全不良による事故が頻発している。火災に続き今度は脱線だ。レール異常をほったらかしにした箇所が何と97もあったという。起こるべくして起きた脱線といえる。最早事故ではなく事件の領域に達している。2年前に炎上脱線事故の責任を取り自殺した社長が「客の安全を最優先する社員になってほしい」と遺書を残したが、その効き目もなかったようだ。本社の部屋には「私たちはお客様を大切にします。安全輸送に徹します。知恵と活力を結集します」という社是が白々しく飾ってあるらしい。保全を強化するにはトップ自らが率先して保全活動を始めるべきだ。トップが本気になって取り組めば社是も生き、社員にその本気度が伝わり事態は好転するものだ。しかしそれでも抜本的な解決には至らないだろう。JRには構造的な問題が有る。日本全国どこでも距離別料金のなっていて、関東の100kmも北海道の100kmも同じ料金だが、乗車人数は北海道の方が極端に少ない。だが収入の少ない北海道は関東と同じ保全費用を負担しなければ保全は保たれない。即ち北海道が関東と同じサービスを提供すること自体に無理があるということだ。JR北海道は、安全を最優先で確保しながらその他のサービスを見直しコストダウンを図ることと、北海道独自の割高料金体系を作り上げる努力が必要だと思う。
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