シリア政府が化学兵器を使えば最後の一線を越えたと判断すると言っていたのはオバマ大統領だ。シリアで今までに小規模の化学兵器使用の事実は何回かあった。そして今回は子供426人を含む少なくとも1429人もの住民が死亡したのは事実のようだ。だがオバマは動かない。オバマは一体何を逡巡しているのだろうか。しかし世界中の人は知っている。かつてイラクに大量破壊兵器などはないということを知りながら、あると言う理由で一方的に米国が戦争を始めたことを。そして今回の大規模な化学兵器使用は米CIAが仕掛け人であるかもしれないという憶測も。だからアメリカ人は反対しているのだろう。アメリカの言う、シリア政府が化学兵器を使用したという根拠は曖昧だ。1429人が死亡したということだけが事実で、それ以外は状況証拠に過ぎない。一方シリア政府が化学兵器を使用したことは限りなく真実に近いように見える。まさに芥川の羅生門のように事実は混沌としている。そこで気になるのはキリー国務長官が報復に積極的で、オバマが消極的な態度を取っていることだ。両者の情報量の多寡が意見を二分しているように見える。オバマは果たして世界の警察なのだろうか。自分にはそう見えないのだが。
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