日経夕刊に卓球世界選手権個人戦について明暗対照的な記事が隣り合っていて印象深かった。上欄の見出しは「相手はびびっていた」下欄は「自分を見失ってしまった」。一見して同じ試合の相手同士の感想かと思ったがそうではない。上欄は女子世界ランク89位の17歳、初出場の松平選手の言葉で、下欄は男子世界ランク5位になったことのある水谷選手だ。松平選手は格上27位のモンユを破り「自分の思いっきりのいいプレーに相手はびびっていたと思う。大きい会場でプレーする方がやりやすい」と日の出の勢いだ。一方水谷選手は131位のシルチェクに敗れ「知らない相手でびびってしまった」と嘗ての面影はない。デビュー当時は怖いもの知らずで、負けても失うものはないと強気でいける。だが勝つのが当たり前のような位置まで上がってくると、負けるのが怖くなる。日本卓球は体罰とは無縁で、どちらかというとホンワカムード。世界のトップを目指すには、持っている技術を十二分に発揮出来るよう、練習と同量の科学的なメンタル強化が必要だ。スポーツを究めるには心技体というが、技体が整ってきたのでこれから心が追いつく時期にきているのだろう思う。
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