石橋を叩きながら渡っていた白川と、石橋を叩き割った黒田のどちらが正しいのかは今は分からない。それはこれからの歴史が判断することになる。謂わば博打のようなものだ。結果は誰も分からないのだから、長か半かを賭けたに過ぎない。世の中にはそういう時もある。それはそれで良いと思う。しかし、この大転換ならでは許せないというものがある。黒田総裁の大胆金融緩和は日銀政策委員会の全員一致で可決されたという事実だ。全員一致とはどういう意味があるのだろう。総裁の黒田と副総裁の岩田と新任の中曽の意見はともあれ、それ以外のメンバー6名は白川時代に大胆緩和に反対してきた輩達だ。敢えて名を記して残そうと思う。神戸大学の宮尾、東電の森本、慶応大学の白井、三井住友ファイナンスの石田、モルガンスタンレー証券の佐藤そして野村証券の木内。これらの者はトップと世論に靡き寝返った。トップが赤と言えば赤と言い、白と言えば白と答えた人物なのだ。日銀の政策委員会とは何だったのだろうか。トップが方針を決める。その決めた方針の根拠を肯定するためにイエスマンの委員が存在する。そんな委員だったのだろう。昔はこういう人間を茶坊主と言った。もう茶坊主などいらない。黒田総裁が更なる日銀改革を実行することを望みたいと思う。
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