退任間近な白川日銀総裁が、後任総裁に求められる人物像を語った。金融政策以外の日銀の仕事を知っていることと、他人の意見を聞ける謙虚さと、グローバルな視点で判断行動する、の3点だ。振り返ってみると、白川は金融政策以外の仕事は上手く熟したらしい。日銀村特有のインフレ抑制しか興味のない政策委員会ではデフレには目を瞑りましょと手に手を取りあった。日本よりも欧米の視点で、欧米が有利になるような判断をした。どうやら自分が総裁として適任であったし、後任にも自分のようになって欲しいと言っているように聞こえる。しかしこれは白川の大きな思い違いといえる。白川が最低限為すべき仕事はデフレからの脱出であった。最低限為すべき仕事をしなかったために日本国民を苦しい生活に追い込んだ人物とも言える。国民はそれを承知している。白川早期辞任のニュースで、円安株高が急速に進行したのが何よりの証だ。後任総裁に求められる条件は、日銀がデフレ脱却の具体的な政策を推し進めることと、意見の異なる人を集めて政策委員会を活性化させることと、世界が注目しているデフレ脱却のモデルケースを全世界に見せつけることだろう。日銀総裁は歴代ろくな仕事しかしてこなかったが、次期総裁には慣例を破る実りある仕事を期待したいものだ。
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