面白いテレビ番組がある。通称ホコタテと言われているフジテレビの「プライド懸けた真剣対決ショー ほこ×たて」だ。ホコは矛、タテは盾。韓非子の故事に基づき、どんな盾でも突き通す矛と、どんな矛でも防ぐという盾の対戦だ。故事では一人の商人が矛と盾を同じ文句で同時に売り捌こうとしたので、矛盾の故事が生まれたことは誰でも知っている。「絶対に穴の開かない金属」と「どんな金属にも穴を開けられるドリル」の対決で始まった。5戦無敗で穴の開かない金属が勝利した。その会社の名は日本タングステン。今就職の応募が殺到しているという。その後もユニークな会社が登場しその才能を競っている。話は変わるが、過去30年で一番歌われたのがSMAPの「世界に一つだけの花」。この歌のテーマは「ナンバーワンよりオンリーワン」。大企業は安定しているので特殊技能と一般常識的な能力さえあれば就職は可能かもしれない。しかし事業の寿命は高々30年といわれている。若い人が就職するには大企業は余りにも年を取っている。若い人が身を奉げるべきは、まさにホコタテに登場するナンバーワンではなく若いオンリーワン企業のはずだ。来春は既に終わった。来々春就職希望者は、番組の勝敗は兎も角ホコタテに出てくる企業にその身を賭けても悔いはないと思うが。如何か諸君。
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