田中文科相劇場が開幕したが瞬く間に閉幕しそうだ。中央教育審議会の3大学来春開設認可答申を唐突に取り消したものの反撃が激しい。それに対応し田中は、新しい審議会で再評価すると逃げてはみたが、今日の国会では不認可とは言ってはいないとまで言い出した。結果は明らかに田中の負。誰が見ても明白な敗北宣言だ。1991年の大学創設に関する規制緩和以来有象無象の大学と大学生が増え続けている。この状況下で田中の主旨は正しいが解決の入り口が間違っていた。第一の問題として大学の質のレベルの低下を取り上げれば真っ当であったが、何を間違ったか法律の仕組みの末端の審議会答申を拒否してしまったことだ。本人が今更気づいてももう遅い。田中角栄が生きていた時代は政治家のブラフが強力な武器であった。しかし今はITの世だ。どんなことでもたちどころに隅々まで詳細が伝わってしまう。もうブラフは通じないのだ。確かに田中は時代遅れの政治家だが、一つだけ我々に残した偉大なものがある。それは「ブラフ政治は既に終焉した」と言うメッセージを残した事だと思う。偉大かな?
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