カーボンナノチューブに近赤外線を当てると生成される活性酸素が、がん細胞を死滅させることを京都大チームが発見したとのこと。またまたカーボンナノチューブのパワーが引き出された。カーボンナノチューブとは、炭素によって作られる六員環ネットワークが単層あるいは多層の同軸管状になった物質で、直径は0.4~50ナノメーター。1ナノメーターは10億分の1メーター。今回の発見は培養液実験によるものだが、がん細胞と結び付きやすい物質をくっつけて投与するなどの工夫を加えれば将来がん治療の新材料として期待出来るらしい。カーボンナノチューブは、1991年飯島博士によって発見されて以来製法も確立され数々の特性が明らかになっている。シリコン以降の半導体として、燃料電池や光学機器として、構造材料として、驚異的な性能を有するスーパー素材だ。iPS細胞の次にはカーボンナノチューブが控えている。何とも頼りがいと発展性のある日本発の新技術だ。日本には画期的な新技術発見が多い。しかし折角の発見を評価出来ずに他国に攫われていく技術も多い。目利きの国家戦略相と文科相の出現が望まれる。
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