三男の子供が生まれてから今日がちょうど100日目。お食い初めを祝った。お食い初めとは、新生児に乳歯が生え始める頃に「一生涯食べることに困らないように」との願いを込めて食事の真似をさせる儀式。場所は会席料理の店。乳児用のママゴトみたいな小さなお膳が出てきた。10cmほどの高さの金屏風の前に、鯛や赤飯や吸い物や歯固め石とおぼしきものがのっている。各料理には意味がある。鯛や赤飯は勿論おめでたさ。吸い物は吸う力が強くなるよう願うため。歯固め石は歯が丈夫になるようにとの願いから。歯固め石は、普通は近所の神社からお借りして返すものか、石の代わりに栗を使うが、そのどちらでもなかった。よく見るとムカゴだ、乳児には巨岩に見えるに違いない。料理人は考えているなと感心した。そもそもお食い初めという行事があることを知ったのは、長男の子が生まれた時の5年前。それまでそんな行事は聞いたこともなかったが、長男の嫁さんから教えられた。その時は長男の自宅で箸を口に近づけるだけの質素なお祝いだった。我が家は3兄弟を育てたが、親から見ると長男には相当の手をかけたが、次男三男には余り手をかけた記憶はない。手を抜いたか、手を抜けたかに違いない。今日その三男が兄弟の中で一番正統に近いお食い初めを行った。孫の成長のお祝い行事も刻々と進み楽しいが、子供と思っていた三男が本当のオヤジになった瞬間を垣間見たような気がした一日であった。
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