ウディ・エプシュタイン氏の発案で、初めて外国の専門家による女川原発の実地視察が行われた。メンバーは国際原子力機関、米原子力規制委員会、仏放射線防護原子力安全研究所など一線級専門家19名。目的は女川原発の破損状況と機能維持状況を第三者の目で点検した情報を国民に伝え、原発再稼働の判断材料を提供すること。9月末に報告書がまとまる予定。東北電力は調査に協力的で、全ての施設への立ち入りを許可し聞き取りにも十分に応じたとのこと。秘密主義の東京電力の対応とは対照的で、この企業文化が原発事故の明暗を分けたのではないかと言われている。福島原発事故以降、世論は脱原発に圧倒的に傾いているが、それを大きく加速させたのが東京電力の秘密主義による原発不信であることは間違いない。もしも東京電力の企業文化が東北電力と同じであったら、原発不信の程度は少しは和らいでいたに違いない。遅ればせながら東京電力が社内に原子力改革監視委員会を設置し、国内外の識者で監視することになった。ないよりはいいが、時すでに遅しかもしれない。原発推進者の安全軽視と秘密主義が自らの首を絞めることになったが、東京電力の歴代の経営者たちはどこまで反省しているのだろうか。それをレビューすれば、内容次第で脱原発運動が加速または減速するはずだ。
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