政府が示した中長期エネルギー政策の選択肢について意見が割れている。2030年の電力に占める原発の割合を「0%」「15%」「20~25%」の三者択一。簡単に言うと「0%」とは原発は稼働させない案、「15%」は新たに原発を建設せず寿命40年で順次廃炉にする案、「20~25%」は今まで通り原発を推進する案だ。政府が開いたエネルギー政策の意見聴取会では「0%」が7割を占めた。一方経団連が業界団体等を対象に調べた結果では「0%」と「15%」を望ましいと答えた団体はなく「20~25%」が38%だったとか。エネルギー政策は原発の割合だけが重要なのではなく、高コストの再生可能エネルギーをどう仮定するかが重要だ。政府案は再生可能エネルギーの割合を25%以上と大きく設定しており非現実的なものになっている。原発事故が起こり心情的に「0%」を望む声が大きいことは理解出来るが、「0%」では経済活動を縮小せざるを得なくなる。一方「20~25%」で従来通り原発を推進しようなどというのは論外。現実に起きた放射能汚染をどう考えているのだろうか。結局「15%」が妥当なところだろう。古川国家戦略相は新たなエネルギー政策に国民の声をどう反映させるかを考えるため、専門家会合で国民の声を分析するという。止めた方が良い。エネルギー政策の前提条件からして間違っているのだから。
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