原子力規制委員会の委員人事が大詰めを迎え賛否両論花盛りだ。委員は5名で任期は5年。三条委員会だから実権を持つ。人事案では原子力の専門家は勿論のこと、原子炉や地震学、放射線医学の専門家、原子力問題に詳しい元外交官と多彩な顔ぶれとなっており、放射線の安全基準や耐震基準の見直し、国際的な核テロ対策など幅広い業務を所管することを踏まえたことが窺える。問題は委員長の田中俊一元原子力委員会委員長代理だ。原子力を推進する組織で主導的な立場にいた「原子力ムラ」の一員ではないかと就任に反対の意見がある。しかし田中氏は原発事故後国に対して緊急課題として、(1)国の責任で放射能除染に早急に着手すること、(2)放射能除染に伴う廃棄物の最終処分方法を早急に提示すること、(3)住民に対する健康管理、を提言し、実際に福島の除染活動に携わってきた経験がある。本人の「原子力に関わってきた人間として、どんなに反省してもしきれる問題ではない」と言う発言には真実味がある。ここは一度田中氏を信じて日本の原子力規制を任せてみようではないかと思う。
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