国会の原発事故調査委員会の最終報告書が公表された。事故は自然災害ではなく明らかに人災とした上で、東電と規制当局の不作為による安全対策の先送りが主要因とした。事故後の危機管理体制が機能しなかったことを指摘。今後の原子力規制組織の監視と政府の危機管理体制の見直し等を提案した。最近稀に見る極めて公正で的確な内容だ。この委員会がうまく機能した要因は、国政調査権を与えたこと、会議をガラス張りにしてオープンにしたこと、常識に優れ柵のない委員を人選したことに尽きると思う。今後国民的な課題に取り組むには、国政調査権という強い権限を持ち、議論の過程をガラス張りにして、課題に直接関係しない人物を選任する、この種の委員会を立ち上げ、問題点の掘り下げと抜本解決策の提案を行ってもらうのが良い方法だと思う。先日の年金改革法案は、3党の主張を盛り込んだだけの訳の解らない内容になってしまっている。票がちらつく政治家に抜本解決策を期待することは不可能だ。政治家だけに任せると事をこじらせ改悪させることになる。一層のこと国会議員を半減し、この種の委員会を数多く立ち上げた方が公正かつ迅速に問題が解決し、国にとっても国民にとっても好ましい結果をもたらしそうだ。国会原発事故調査委員会は事故調査以上の価値があった。黒川清委員長畏るべし。
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