万葉集に詠まれ「潮待ちの港」として知られている鞆の浦の埋立て架橋計画が、1983年の計画策定以来30年経過した今やっと計画が撤回され景勝が保全されることになった。鞆の浦には古い町並みが残り、都市景観100選、美しい日本の歴史的風土100選にも選ばれたところ。江戸時代の港湾施設である常夜燈、雁木、波止場、焚場、船番所が全て揃って残っているのは全国でも鞆港のみで歴史的価値も高い。アニメ映画「崖の上のポニョ」の舞台としても有名だ。埋立て架橋計画の発端は道が狭いこと。景勝を壊してでも交通の便を良くしようという県の計画に対し、コストはかかるがトンネルを作り景観を保全しようという案が対立していた。湯崎広島県知事は今までの県の計画を撤回し景観優先を決断した。良い決断だと思う。野放図に道路を作り続ける行政は良くないと思うが、歴史的景勝地を保全するため割高のトンネル道路にすることは充分価値がある。これを契機に鞆の浦が景勝地として栄えることを願いたい。
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