政府が2012年版の科学技術白書を閣議決定したが、その内容はお粗末だ。白書では、東日本大震災と原発事故により最先端とされた科学技術の限界が露呈したと強調しているが、その指摘は正しくない。この大震災で科学技術的に問題があったのは地震学会の大地震予測と放射能除染技術程度だ。原発のメルトダウン、放射能汚染予測非公開、児童生徒らの被ばく線量の高め設定等は全て政治的判断ミスによるもので、決して科学技術の限界ではない。寧ろ科学技術は確立されていた。科学技術白書は、科学技術の限界と主張するよりも、科学技術を有効に活用出来なかったことを反省すべきだ。SPEEDIの非公開しかり、米国の放射能実測データの隠蔽しかり、被ばく線量20ミリシーベルト設定しかり。白書で「大災害に直面しこれまでの科学技術の在り方が厳しく問い直される事態になった」としているが「大災害に直面しこれまでの科学技術の正しい活用の仕方が厳しく問い直される事態になった」と訂正すべきだと思う。
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