日米欧は今年3月中国のレアアース輸出規制についてWTOに提訴し、WTOは問題視している。一方中国国内では「レアアースはヘロイン並みに儲かるがヘロインほどリスクはない。やらない方が損」ということで、官と民に裏社会も加わって採掘の一大狂騒曲が繰り広げられているらしい。レアアースの1元素であるジスプロシウムは2010年には500ドル/kg程度で推移していたが、2011年には4000ドル/kgまで高騰した。しかしあまりの高騰に日本では脱レアアース技術が進み輸入量が急減し、現在の価格は最高値に較べ約7割安くなったとのこと。「窮すれば通ず」の格言通り「必要は発明の母」を絵に描いたような展開だ。結局中国の出し惜しみ政策が、日本の技術を更に一歩引き上げることになった。そして中国にはアンフェアーな輸出規制の汚名と、レアアース採掘による環境汚染が残されることになった。第二の経済大国となった中国は、真の大国となるべく国の品位を上げる努力が必要だ。
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