国会の原発事故調査委員会が菅前首相を参考人招致したが、結果は予想通り菅の言い訳に終始し真相究明には一歩も前進しなかった。菅は国策の原発によって引き起こされた事故であるから最大の責任は国にあると認めた。だからと言って自分の責任ではないよ、歴代の首相が主犯だよ、という菅の無言の声が聞こえてくる。委員会では、現場視察、海水注入、東電撤退について聴取したようだが、これらは問題の本質ではない。菅に質すべき問題点は、第一に、国民の安全を第一に考えずに何故メルトダウンやSPEEDI等の情報を隠蔽したのか。第二は、原子力緊急事態宣言を遅らせ、自分勝手な判断で対策を混乱させ機能不全に陥らせてしまい、何故放射能事故を拡大させてしまったのか。第三は、衆知を結集し総合力を発揮する体制を何故築けなかったのか。この3つの「何故」に対し菅が答えれば、自ずと真相と対策が明確になる。真相が究明されると、首相となるべき人物が持つべき資質とは何か、ということも明らかになるはずだ。
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