今から半世紀近く前の高校時代の教室の座席の話。一人掛けの机が8列×7番あり、1列1番から出席番号順に着席し、そして週毎に列が横に移動していく基本ルールだった。例外も認められ自分は近眼だったのでいつも希望通り1番前の席だった。1番前の席は目立つようで目立たない穴場だ。周りが気にならず授業に集中できた。成績もまあまあだったし会社人生もまあまあであった。どういう訳か後ろの方の席には悪がきが揃っていた。授業中に教室を抜け出しいつも早弁をする連中だった。ところが今になって振り返ると、教室を抜け出し早弁をしていた連中が社会では社長や役員となり出世している。社会に役立つ人作りの教育とは、決して勉強することだけではなく、犠牲を恐れることなく自分の思いを実行に移す行動力を培うことにもある。こんなことを60歳過ぎてから高校の座席が教えてくれた。
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