政府の行政改革は小手先ばかりで成り行き任せのため、一向に抜本改革の姿は見えない。2013年度の国家公務員の新規採用は09年度比で最大7割超削減、民間よりも400万円多い国家公務員の退職手当の削減検討、公務員人件費削減検討対象から地方公務員を除外等々はモグラ叩きに似ている。政府がまずやるべきことは行革の青写真作りだ。国家公務員の必要最小限の体制検討、官僚に任せない人事制度、天下りを含めた公務員の組織、公務員の年金と給与体系の抜本見直し等を行い青写真を作るとともにスケジュール化し目標値を明確に設定することが事の初めだ。会社が赤字になれば経営者は必ず抜本改革を検討し多少痛みを伴っても実行する。国を憂うほどの志ある政治家がいないので青写真までには思いが及ばない。今この就職氷河期に国家公務員の新規採用を大幅削減することは、傷口に塩をすり込むようなもの。寧ろ新規採用は計画よりも増やし、給与の高い高級官僚を大幅削減すべきだ。強い立場の高級官僚には手を付けず、文句の言えない弱い立場の新規採用者に、自分たちの非力のしわ寄せを持っていくその根性に腹が立つ。野田政権発足当時、師匠の細川元首相は野田の手腕に期待していたが、行革は一向に進まず今では見限ってしまったようだ。良識のある国民は細川と同様に落胆しているはずだ。
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