WHOが強毒性の鳥インフルエンザウイルス「H5N1」に関する2本の研究論文の当面雑誌掲載差し止めと研究中断の継続を勧告した。研究上は論文の全面公開が有益と認めながらも、生物テロなどに悪用される懸念があるためだ。「H5N1」は近年単発的に東南アジア諸国で発生しているが、ヒト感染型に変性すると爆発的にヒトに感染し死に至らすパンデミックが起こる恐れがあるといわれている。パンデミックで有名なのが、14世紀にヨーロッパで流行した黒死病、19世紀大流行したコレラ、1918年に全世界で2500万人以上が死亡したスペイン風邪だ。「H5N1」はこれらと同等の脅威と見做されている。テロ等の悪用防止のため研究成果を非公開にすることは当然だろう。しかし素晴らしい研究成果を非公開にすることは、研究者にとっては針のムシロ、それなりの処遇が必要だ。現実的には非公開中にこの論文をベースに将来の流行に備えたワクチン開発が急がれる。そしてこの研究をトップシークレットとしてウイルス漏洩防止と安全の確保に努め、早急に進展させる必要があると思う。
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