工場で働く人にとって安全の常識として「ハインリッヒの法則」がある。労働災害における経験則の一つで、重傷以上の災害が1件あったら、その背後には29件の軽傷災害があり、更に300件の傷害のないヒヤリ・ハット事故があるという法則だ。重傷事故など滅多に起こらないから工場の人は普段はヒヤリ・ハットの抽出と撲滅に努め安全向上をはかっている。しかし最近のJFEスチールの多発事故は極めて異常だ。9月22日ゴンドラのワイヤが切れ落下し死亡1名重軽傷4名、12月2日硫酸タンクが爆発し重傷2名軽傷2名、1月6日コークス炉の異常燃焼で多量の黒煙発生と設備の爆発、1月21日作業員がアンモニア液を浴びて2名救急搬送。これだけ重大事故が多発しているということは、相当安全がないがしろにされているに違いない。この段階になると工場の安全責任者だけでは手におえない状況だ。経営トップが現場に乗り込み陣頭で指揮をとらないと安全の立て直しは難しい。絶体絶命のピンチに経営トップが動かなければ、高炉爆発も想定内に見えてくる。トップよ急げ。
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