大学の秋入学

世界の大学ランキングで権威のある英教育専門誌Times Higher Educationの発表によると、カリフォルニア工科大学が1位に躍り出たが東京大学は30位に沈んだ。東大は国際性重視の観点から秋入学への移行を検討している。優秀な外国人を獲得しレベルを上げるとともに日本人学生に刺激を与えるのが狙いだろう。果たして秋入学がレベルアップの切り札になるのだろうか。秋入学により留学生の交換がし易くなるメリットはあるが、デメリットが多い。春の入試から秋の入学までのギャップターム、企業の採用や公的資格試験の実施時期、初等中等教育についての国の方針不在等。有名大学が社会の変化を先導していく意義は認めるが、労多くして功少なしのような気がする。東大を世界のトップレベルに引き上げるには、入学の選考方法の改革と社会に役に立つ最先端の研究の充実化が必須であり、決して秋入学ではない。秋入学に移行出来たとしても研究内容に魅力がなければ優秀な外国人は来るはずがない。浜田東大学長は秋入学などの小手先に走らず、まずは本質的な魅力的な研究体制作りに取り組むべきだと思う。同時に入学の選考方法の改革も待ったなしだ。このまま行くと50位陥落が現実化しそうな気配だ。