茶道の新年会である初釜に招かれ、生まれて初めてお茶を体験した。義母は長年茶道を修行しており、自宅の茶室ということもあり亭主となった。後のお二方も超ベテランであったが、自分は経験もないのに男という理由で正客にさせられた。座る位置の決め方、扇子の置き方、懐紙の使い方、主菓子の取り方、楊枝の使い方、立ち方、茶碗の取り方、お茶のいただき方、茶碗の鑑賞の仕方、返し方等々全てに超ベテランの方にご指導をいただき、なんとか初体験を終えた。まさに初釜ならではの体験であった。滅多にしない正座のため足のしびれには参ったが、あまり堅苦しくもなく背筋が伸び一種の清々しさを感じた。初釜の前に87歳の義母が「新しい経験をすると寿命が延びるわよ」と言っていたが、終わった後にその言葉が木霊のように心に戻ってきた。お茶には覚せい作用がある。
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