世界で初めてカラーフィルムを発売したりデジタルカメラを開発したのがイーストマンコダックだ。映画のイーストマンカラーには馴染みが深い。そのコダックが経営不振に陥り、株価1ドル割れが続きニューヨーク証券取引所から警告を受けた。デジタル化により写真フィルムが衰退することは10年以上前から分かっていた周知の事実なのに対応が遅れたためだ。トップランナーの自負と傲慢、成功体験による改革の遅れ、製造の海外シフト等にも原因があるだろう。同じ状況下にありながら富士フィルムは写真フィルムから総合ヘルスケア企業にうまく転身している。コダックと富士フィルムの決定的な違いは、自社の技術やノウハウの蓄積こそ宝と思う社風の有無にあるような気がする。世界のどの企業でも「わが社の強み」を見極め育てる力こそ成長の源に違いない。
コメントをお書きください