落語のような笑い話がある。最近の数々の不祥事を受け最高検察庁は検察職員が従うべき基本規程「検察の理念」を作成したと発表した。検察官にはこれまで国家公務員服務規程しかなかったので、検事としての使命役割を明確にしたとのこと。内容が振るっている。無実の者を罰しないかつ真犯人を逃さないよう取り組む、被疑者の主張をよく聴く、取り調べは真実の供述が得られるよう努める、とある。これの第一の問題点は、今更子供でも分かるこのようなことを作成しなければならないことだ。勘ぐってみれば今まではこれと反対のことをやっていたと自白したともとれる。第二の問題点は、これは検察の理念ではない。これは単なる行動指針であり、検察の理念とは「法律の番人として正義を行う」ことだ。その理念を達成するために行動指針が存在するのだ。以前元大阪特捜検事のヤメ検弁護士田中森一の「反転闇社会の守護神と呼ばれて:幻冬舎」を読んだ。検事は感で犯人と推定しあることないことで被疑者を追い詰めること、検事がやくざや政治家とずぶずぶの関係にあること等々が書かれており、本物の特捜検事はまるでテレビに出てくる乱暴な取り調べをする刑事と同じだなとびっくりしたものだ。村木局長事件がダブって見える。奇しくも今日は暴力団排除条例施行日だ。今日を境に多くの検事や警察官が条例違反で逮捕されればまさに落語の落とし噺だ。お後が宜しいようで。
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