今朝の日経新聞第一面の増税に関する世論調査結果には驚いた。日経リサーチの調査によると、政府が大震災の復興財源として検討している臨時増税は、賛成63%、反対28%。復興財源とは別に社会保障財源を確保するために消費税率を10年半ばまでに段階的に10%に引き上げる政府案も賛成49%で、反対の42%を上回ったとのこと。復興臨時増税賛成は、困っているときは皆で助け合おうという日本人気質の表れであり、かつ動きの遅い政府に早期復興を促す国民の叱咤激励だろうと理解出来る。本当に驚いたのは社会保障増税賛成が反対を上回ったことだ。約700兆円の財政赤字を更に肥大させれば市場の信認を失い、国債の格下げという最悪の事態が現実になりかねない。自分は最悪の事態が現実にならないよう今から増税と歳費削減を敢行すべきと考えているが、世論は圧倒的に増税反対だと思っていた。世界中に国民自ら増税に賛成する国が何処にあろうか。日本以外には決して存在しない。日本人の良識の高さには感服した。増税では選挙に勝てないとして国の将来よりも我が身の得票を優先する事しか考えない政治家は政界からの退場を願いたい。しかし世論調査が増税賛成多数でも、いざとなれば選挙で勝つことは難しいだろう。極めて痛みを伴う歳出削減と社会保障増税をセットにした実行案こそが関門を通り抜ける切り札になるに違いない。
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