イスラエルの問題は相当根深い。イスラエル王国が建国された紀元前十一世紀頃から領地の主権が目くるめく変わり三千年が経過している。イスラムが出来たのが七世紀、千三百年前だ。いつの時期をもって国土の所有権を主張できるのか、世界中の人も判断出来まい。ましてや一度も他国に征服されたことのない日本人には想像もつかない極めて難し問題だ。オバマ米大統領は19日中東政策に関して、将来的なパレスチナとイスラエルの国境線は、1967年の第3次中東戦争前の境界線に基づくべきだと演説した。これに対しイスラエルは反発し、パレスチナはOK、EUはオバマ提案を支持した。今までの米国はイスラエルのためになることが政策のベースであった。しかし今回のオバマ演説は、それとは相当異なるニュアンスがある。エジプトのムバラク政権の崩壊は、CIAによるイラン揺さ振りともいわれている。米国の対イスラム政策は、エジプトの民主化それに続く流動化と、ビンラディン抹殺によるアルカイダの弱体化にあるとも言われている。イスラムの民主化を迫り、アルカイダ弱体化を成し遂げ、そしてかつイスラエルに大幅な譲歩を迫る。一体米国は世界をどうしようとしているのだろうか。世界は大きく変動している。一方振り返って日本を見ると、オバマ大統領のダイナミックな政治活動に較べ、菅首相は何を目的にどのようにしたいのだろうか、自分の保身しか考えずに汲々としている首相を見て嘆かない人はいない。嘆かわしい限りだ。
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