2015年7月

二番煎じの悲劇

目出度くテレビ朝日の「若大将のゆうゆう散歩」がいよいよ終了するようだ。地井武男の「ちい散歩」を、加山雄三が引き継いだが尻すぼみに終わった。地井はぶっきらぼうで言葉使いも粗かったが、以外と腰の低さと人懐っこさで番組に馴染んでいた。ところが後を引き継いだ加山には当初からミスキャストだと感じていた。近所を散歩するほどの気楽さはないし、いつも上から目線だ。これでは茅ヶ崎以外では何処に行っても受けるはずがない。加山は80歳だからという理由で番組を降りるようだが、視聴者も番組スタッフもこれ幸いと歓迎しているようだ。加山が外れる理由はただ一つ。加山自身がこの番組を好きではなかったことだと思う。主役自身がツマラナイという番組が面白いはずがない。スタッフが頑張る訳がない。宜なるかなと思う。少し似た同じような事例もある。BS-TBSの吉田類の酒場放浪記だ。続編としておんな酒場放浪記とかキタローの夕焼け酒場が生まれた。しかし登場する役者が下手だ。おんな酒場放浪記では、知らないくせに知ったかぶりの女が飲む姿が、背伸びをしている仕草がアリアリでハナに付く。キタローは加山と同様上から目線だから酒場にはそぐわない。元来役者それぞれに特徴はあるはずだと思う。しかし二番煎じの役者はその特徴を超えられない。これが芸道の世界かもしれないと少し思った。

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原発事故は想定外ではなかった

福島原発事故を巡って2回目の検察審査会でも、東電元会長ら3人を起訴すべきと決議され強制起訴が決まった。起訴理由は「大きな地震や津波の可能性があったのに目をつぶって何ら効果的な対策を講じようとしなかった」こと。その根拠は「東電は平成20年に15.7mの津波を自ら試算していた事実から、災害が発生する危険を具体的に予測できたはず」というもの。ところが検察は「まれに発生するものまで備えておく必要があるとするなら、全ての重大な事故で責任者の過失が認められることになる」という理由で不起訴にしてきた。当時の東電や政府は「想定外」と弁明していた。ところが国際原子力機関IAEAは「想定外」ではないと一蹴した。2007年に、日本には設計基準を超える事故について検討する法的規制がないと指摘し、過酷事故に十分備えるよう求めていた。機器の故障などが大事故に至るすべての可能性を把握する安全評価の実施を勧告していたが、抜本的な対策を取っていなかった。10年ごとの定期安全レビューでも地震・津波予測の再評価が義務付けられておらず、過酷事故への対応や安全文化の見直しも含めて「国際的な慣行」に十分従っていなかったと指摘している。どう見ても、日本の原発は、IAEAの勧告や助言を無視し続け安全を蔑ろにしてきたことは間違いない事実だ。検察は一般論でお茶を濁し検察機能を果たしていない。一方検察審査会の3人起訴も中途半端だ。責任は原子力ムラをリードしてきた全ての人にある。抜本的な究明が必要だと思う。

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迷惑な無料アップグレード

今日7月29日はWindows10無料アップグレードの開始日だ。日本マイクロソフトは、恰もWindows7と8が自動的にアップデートされてしまうような言い方をしていた。パソコンメーカーからは、Windows7を10にアップデートすると不都合が生じ易く、そのトラブルへのサポートはしないのでアップデートしないようにと忠告のメールが届いた。ネットを見ると、Windows10の自動アップデートを阻止する方法が詳細に説明されている。しかしながら自分にとっては余りにも複雑な操作なので手に負えない。困ったものだと思っていた。ところが数日前に日本マイクロソフトは、ユーザーが要望しない限り自動的にアップデートすることはないと表明した。なんだ、初めからちゃんと説明しておけよ、と腹立たしく思った。そして今日当日、本当に自動的にアップデートしないかと不安だった。もうすぐ0時になる。我がパソコンは無事明日を迎えそうだ。些かホッとした。Windows10は色々な機能が追加されて使い勝手が格段に向上している一歩先行くOSらしい。だが過去のOSとの連続性が無いところがあるのが最大の欠点だ。今までのユーザーを軽視しているとも受け取れる。本当に一歩先行く未来型のOSならば、全く別物のパソコンとして登場させるべきだったと思う。ユーザーにトラブルを押し付けるメーカーに明るい明日があるはずがない。

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東京五輪のデザインあれこれ

24日に東京五輪のエンブレムが発表された。第一感は何とバランスの悪い図形のエンブレムだと思った。そしてパクリ問題が発生しそうな予感がした。幸か不幸かその悪い予感が的中した。ベルギーのデザイナーが自分の作品と驚くほど似ていると名乗り出た。この作品は白と黒の2色でTとLをイメージしているが、パッと見は似ている。直感的にエンブレムのデザイナーはこの作品を参考にしたのだなと思った。更にバルセロナのスタジオが作成した東日本大震災復興の寄付金活動の作品は、ベルギー以上に似ている。配色とパーツがそっくりなので、エンブレムはこの作品をアレンジしたものとも言えそうだ。一方先月発表された東京五輪の外国人観光客を案内するために生まれたボランティアチーム「おもてなし東京」の制服がダサかった。この制服ではボランティアする人が減ってしまうのではと心配する程だ。また新国立競技場ではデザインだけが先行し計画自体が白紙に戻ってしまった。どうも東京五輪はデザインがネックのようだ。今のうちに躓きに慣れておけば、本番での躓きはないと思うしかない。

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根が深い東芝利益詐称

2000億円もの利益詐称をしながら、トップの首の挿げ替えだけで事を収めようとしている。問題企業の東芝だが、幕引きを図っているのは誰だかは分からない。第三者委員会は3代の歴代社長による組織的な不正と断定した。だが会計監査を担当した監査法人は一体何を監査していたのだろうか。また社外取締役が過半数を占める監査委員会の社外取締役たちは只飯を食っていただけなのだろうか。第三者委員会は、犯人役のトップらを断定したものの、検察役である監査法人や監査委員会が何故機能しなかったのかには触れていない。不思議なことに御咎めなしだ。更に日本取引所グループのCEOは、東芝株を監理銘柄にせずに一段緩い特設注意市場銘柄に指定すると温情的だ。極めて異常な事後処理が進んでいる。それらは基本的に日本の経済活動の大問題なので経団連当りが本腰を入れて取り組むべき問題だとは思うが、安倍ヨイショの榊原体制では改善を望めそうもない。一方トップに利益詐称を強制された事業部長レベルは可哀そうだ。逆立ちしても絞り出せない利益上乗せを強制されて、心ある人は東芝を去ったに違いない。去らずとも胃潰瘍で入院するはめになっているに違いない。そして現場を知る部下たちは事業部長を突き上げたに違いない。そして働く気力を失ったに違いない。あと1か月もすると誰しも東芝問題など忘れてしまう。そして無傷の人は平穏に、傷ついた人には過酷な人生が待ち受けている。やるせない世の中だ。

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お暇な滋賀県議会

数年前泉佐野市が財政難から市の名称の命名権売却構想を打ち出したが、応募した企業は無かった。変更に多額の費用がかかり、市民の反発もあったろうから、当然と言えば当然の結果だったと思う。でも、あまりにも酷い財政難を低減するため、藁にもすがったことは分からなくもない。ところが、滋賀県ではマジに県名を変更することを検討していたとのこと。今年2月県議会で県議から、県の知名度向上の為、県名を近江県とか琵琶湖県に変更してはどうかと提案がありマジに検討したようだ。6月に実施した県政世論調査で県名変更に関する質問を加え県民の意見を調査した結果「変える必要はない」が83%だったとのこと。知事は会見で「多くの県民が『滋賀』に強い愛着を持ち、重みがある県名と再認識した」と話したようだ。正直言って驚いた。県民は真面だが、滋賀県議会と県知事は相当お暇なようだ。香川県は「うどん県」でPRに成功している。だが香川県はうどん県に改名した訳ではない。あくまでバーチャルの県を創出し宣伝の舞台を作っているのだ。もし香川県民にうどん県への改名を問えば猛反対されるに決まっている。県名は永く住んでいると愛着が湧くものだ。滋賀県議会は、まず県議の滋賀愛着度を調査するべきだった。滋賀に愛着の無い県議たちが、滋賀のためにと言いながら時間潰しをしているようにも見える。

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薄っぺらな人

下村文科相が全国の国立大学に対し、中期目標策定時に教員養成系と人文社会科学系の学部・大学院を廃止や見直しに取り組むよう通知したことが波紋を広げている。少子化だからこれ以上教員養成は不要だし、社会に即戦力にならない学生はいらないという経済界の意向に応えたようだ。一見正当な意見のようにも思えるが、真面目に考えてみると文科省の通知は的外れにみえる。本当に教員養成学科は不要なのだろうか。勿論従来通りの教員を型に填めて増産するのであれば不要と言える。しかし現在は教育の質自体が変わりつつある。8日のブログにも書いたが、今は受動的な講義から能動的な教育に変わる過渡期にある。従来型の先生はいらないが、未来的な先生は不足している。言い方を変えれば、教員養成の内容を改革すれば寧ろ増員が必要な状況にある。今教員養成学科を減らしてしまえば、教育の質の低下が早まるだけだ。一方人文社会科学は本当に会社に役に立たないのだろうか。経済界が即求める理系ばかりを育成すると科学的には発展するかもしれない。しかし会社や社会の成長は、科学だけによるものでもない。科学と経済と歴史を勘案して舵を取る人が必要になる。そういうバランス感覚のある人が人文社会系の人に多いのも事実だ。下村文科相の言う事は、何かにつけ薄っぺら過ぎる。東京五輪の総括者として失敗してしまったし、文科相としての判断も基本的に間違っている。しかも文科相としてあってなならない政治献金問題も博友会でバレテしまった。これだけ質の低い文科相も珍しい。安倍首相のオトモダチという命綱も風前の灯のようだ。

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暑さに耐えるか、寒さを凌ぐか

毎日蒸し暑い日が続いている。世界の各地で異常気象が頻発している。米国では干ばつ被害を受けたり、逆に大雨による洪水が起きている。原因は兎も角温暖化していることは間違いない。北極では海氷が融けロシアが新しい航路開発に食指を伸ばしている。一方南極の西部でも氷河が融け始めているという報道もある。北極は海だから海氷が融けても世界の海水面は変わらないが、南極はオーストラリア大陸の2倍の面積もある大陸だから、その陸の上にある氷河が融けだすと海水面の上昇は免れない。世界中が温暖化、温暖化と騒いでいるが、これから寒冷化するという学説もあるようだ。欧州の科学者たちは、2030年までに過去370年ほど経験したことのない「ミニ氷河期」が訪れる可能性があると警告している。英国の研究者が太陽の内部を研究した結果、太陽活動が60%低下し、地球の気温が急低下すると予想したとのこと。こういう状況が起きたのは1700年前後にあり、それ以後は初めてらしい。1700年前後といえば、世界ではオスマン帝国が地中海の半分を征服していた頃だし、日本では赤穂浪士の討ち入りの頃だ。道理で雪が降っていた訳だ。今は誰でも温暖化と騒ぐ。だが打つ手が無い訳ではない。しかし人類にとって本当に怖いのは寒冷化だ。もし寒冷化が起これば、世界中で穀物の不作や食糧暴動が起きることは間違いない。暑さに耐えるか、寒さを凌ぐか、同じような忍耐が必要に思えるが、決して同じではない。寒冷化は食糧不足により世界の70億人を養えないことを意味する。温暖化よりも寒冷化の対策を急ぐべきだと思う。

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「いとこ」は従兄弟か従姉妹か

NASAがケプラー宇宙望遠鏡で、地球と太陽に最も良く似た惑星と恒星を見つけたと発表した。地球から1400光年離れた宇宙にある恒星「ケプラー452」とその周りを回る惑星「ケプラー452b」。惑星の直径は地球の1.6倍、公転周期は385日、惑星・恒星の距離は地球・太陽間よりも5%遠い、恒星の直径は太陽より10%大きく、温度は同程度、恒星の年齢は太陽より15億年古い60億歳というから、ほぼ瓜二つと言えそうだ。これだけ条件が揃うと、生命の存在も夢ではなさそうだ。NASAではこの惑星を「地球のいとこ」と呼んでいるそうだ。地球は太陽の周りを回っている惑星だから、謂わば太陽の子供だ。惑星ケプラー452bも恒星ケプラー452の周りを回っているから、恒星ケプラー452の子供だ。恒星同士が姉妹と考えれば、地球とケプラー452bは、まさに従姉妹と言える。上手い呼び方だと思う。ここでフと疑問が湧いてきた。恒星は男性なのだろうか、それとも女性なのだろうか。そして惑星はどちらなのだろうかと。恒星が惑星を産んだのだろうから、恒星は女性とみるべきだろう。地球は「母なる大地」というからには女性に違いない。斯くして恒星同士は兄弟ではなく、惑星同士も従兄弟ではないという結論になった。正しいか、間違っているかは別にして。

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一気飲みの責任

最近はあまり聞かなくなったが数年前まで「一気飲み」が流行っていた。一気飲みの犠牲になるのは殆んど大学の歓迎コンパの新入生と相場が決まっていた。今日の朝刊に、一気飲みで死亡した息子の両親がサークル仲間21人に対し総額1億7千万円の損害賠償を求める訴訟を起こしたとの記事が載っていた。訴訟を起こした理由は、異常と気付いていたのに放置したからだという。ろくに酒も飲めない新入生に無理やり酒を飲ませ、ぶっ倒れているのに何もしないとは酷い奴らだ。ご両親の気持ちも宜なるかなと思った。ところが記事の内容を読んで驚いた。亡くなった息子は当時東大の2年生で21歳、サークルのコンパ長だったとのこと。21歳といえば間違いなく大人だ。自分の行動には自分が責任をとる年齢だ。しかも東大生なのだから酒の怖さが分からぬほど頭が悪いという訳でもない。更にコンパ長というからには主催者側だ。決して新入生いじめではない。この両親が何故訴訟を起こしたのかが理解出来ない。ぶっ倒れた仲間を介抱しなかった仲間に落ち度があるのは間違いない。介抱しなかったのは何らかの理由があるはずだ。その時は意識があり本人が介抱を拒んだとか、介抱されない位仲間から嫌われていたとか。だがぶっ倒れた責任は息子自身にある。この両親の論理であれば、一気飲みをしている息子を制止しなかった仲間が悪いとでも言い出しそうだ。自分がこの親であれば、息子の出来損ないと諦める。サークル仲間には「もし救急車を呼んでくれていたら」と心の中で呟くかもしれない。間違っても訴訟など起こしはしない。この一家にはマザコンの強力な臭いがプンプンする。

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鰻と鯰

最近やたらにスーパーで鰻の蒲焼きを見かけることが多くなった。そう言えば20日が土用の入りで、24日は土用の丑。今がピークだから当然と言えば当然だ。昔から鰻は決して安くはなかった。ところがウナギシラスが獲れなくなり、鰻の値段がウナギ登りに上がり超高値が続いている。昔は夏の暑さを克服するための滋養強壮の源ととして鰻が重用された。でも今は温暖化が進み暑い日が続いているが、滋養源としては高価過ぎる鰻を避けてサプリメントに落ち着いているようだ。ニホンウナギは昨年絶滅危惧種に指定された。だからこそ日本での鰻の復活努力は続いている。鳥羽の水産総合センターでは完全養殖の道を付けたが、まだまだ高コストで実用化には今一歩。そんな状況の中であのマグロで有名な近畿大学がウナギ味のナマズを手掛けているとのこと。ウナギの代替にナマズを考えているのだ。24日の土用の丑の日に銀座の飲食店近畿大学水産研究所でウナギ味のナマズを1日限定で販売するようだ。でもそれまでの研究は困難を極めたようだ。ドジョウ、マス、アナゴ等々20種以上の蒲焼きにトライし最終的にある種のナマズに落ち着いたらしい。一方ナマズと言えば埼玉の吉川が有名だ。この地方の近くでは鰻は神様なので鰻を食べたことがない人が殆んどでナマズを食べていたと言う。自分にとっても鰻には熱い思い出がある。鰻を食べても食べなくても父を思い出す。夏の暑い日、何か事ある毎に「明日は鰻にしようか」と言うのが父の口癖と言うか決まり文句だった。そして決まって登り亭の蒲焼きだった。自分は鰻を好きだが、いつの日か自分の子供や孫に対し、鯰が好きだと言う日が来るのだろうか。

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相撲人気のバロメーター

もう長いこと大相撲のテレビ中継を見ることが無くなった。子供の頃は大相撲のラジオ中継を聞きながらハラハラしたし、テレビになっても手に汗を握りながら見たものだ。柏鵬時代は千秋楽の対決で果たしてどちらが勝つのかと盛り上がったし、その後の若貴時代も面白かった。だが貴乃花の引退を境に相撲人気も衰えてしまった。今ではモンゴル勢を筆頭に外人力士が幅を利かしている。昔の四股名は山とか海が付いていて子供でも読めたが、今は大人でも読めない四股名が多くなった。顔を見ても四股名が分からない。それだけ遠い存在になってしまった。夜のニュースで白鵬対逸ノ城戦を取り上げていた。取り上げた理由は好勝負だったからではない。白鵬が寄り切りで勝った後に逸ノ城の首を掴み更に蔑むように突き放したからだ。理由は兎も角横綱にあるまじき行為だと思った。白鵬には勝負に専念していない雑念があるとも思った。5~6年前には問題児の朝青竜がいた。そして横綱審議会には朝青竜の天敵である内館女史がいた。女史は事ある毎に朝青竜を非難したが、白鵬が問題を起こしても一度も非難することはなかった。明らかに依怙贔屓に映った。女史が今も審議会にいたら何とコメントするのだろうか聞いてみたいものだとも思った。どうも大相撲は貴乃花の引退を境に質が変わったように感じる。それまではどの力士も真剣に勝つことに必死で捨て身だったように見えた。その後は必死の捨て身を感じることが無くなった。その必死さが大相撲の人気のバロメーターになっているように見える。

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美味しいカレーの素

テニスをする前の日に、カミサンからカレーを作るよう頼まれることが時々ある。テニス帰りの疲れた体で料理をするのは大変だから、作り置きのカレーは重宝だ。今日はテニスをする予定なので、昨日カレー作りを頼まれた。自分流カレーは母譲りで昔ながらのカレーだ。豚肉とじゃがいもと人参と玉ねぎを別々に炒め、水を適量入れて沸騰させる。灰汁を除いてから塩コショウで味を調整し20分程度弱火にかけるが、コンソメの素を入れるのがポイントだ。あとはカレールーを入れれば出来上がりだが、その前に必ずカミサンが味見をする。そして必ず「このままでも美味しい」と言うのが決まり文句だ。いつもはその言葉を聞いてからカレールーを入れるのだが、今回は初めてルーを入れずに食べてみることにした。今日の夕食は、テニスの帰りに買ったワインとフランスパンとサラダとルーの入っていないカレーの素。案外か想定内かは分からないが、美味かった。残った「カレーの素」にルーを入れれば従来通りのカレーになる。まるでグリコのように1粒で2度美味しいのだ。料理のレパートリーが少し広がったような気分になった。

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長所を見つける夏休み

今日から小中学校の夏休みが始まった。自分が小学生だった頃を思い出す。小学校に入学して以来卒業するまで、カケッコはいつもビリだった。だから小学校にはあまり良い思い出は無い。先天的に足を蹴る方法が分からなかったのかもしれない。当時の徒競走の入賞者は毛糸付きのゴム輪を貰える事が出来た。勿論自分はビリ以外になったことはないので、1位の毛糸がどんな色だったのか知る由もない。でも一度でもいいからと願ってはいたが、叶うことはなかった。自分の小学校の思い出といえばそんなところだ。でもよくよく思い起こすと、水泳の自由形では1番だったし、マット体操では地転が出来た。ただ泳ぐ速さは速かったが、潜水が苦手だった。そのため憧れの黒帯である1級にはなれなかった。区大会にも選ばれたが結果は残せなかった。でもマット体操は中学になっても得意だった。ワルガキの番長が1番上手く自分が2番手だった。運動会の晴れ舞台である体操競技では番長の次に続いた。しかし空中回転の時に、タイミングを外し回転出来ずに顔からマットに突っ込んでしまった。首の骨が折れるかもしれないと思った。それ以来マット体操はしたことはないし、タイムを気にして泳ぐこともなくなった。そして徒競走の遅い自分のイメージだけが残った。もし当時自分の長所を生かすという考えがあれば少しは変わっていたのかもしれない。今は長所を生かす時代だ。小中学生には自分の長所を見つける夏休みにして欲しいと、つくづく思う。

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消費者物価指数

5年毎に改定される消費者物価指数の調査品目の変更案が総務省から発表された。5年前のお子様ランチ、電気アイロン、ETC車載器などが外され、今流行りのコンビニのセルフ式コーヒー、補聴器、電動アシスト自転車などに入れ替わるとのこと。今どきのお子様はデパートなどには行かないし、Yシャツは形状記憶でアイロン知らず、ETCの標準装備されていない新車などはない。外すのは当然だろう。一方猫も杓子も飲むコンビニコーヒー、老齢化を代表する補聴器、女性や老人に優しい電動アシスト自転車、これは入れるべきだろう。自分は基本的に官僚のやることに些か不信を持っているが、今回の総務省の改定は妥当だと思う。時代の変化に対応している。役所仕事としては珍しいことだとも思う。消費者物価指数といえば、一昨年に日銀の黒田総裁が景気浮上策として2%アップを掲げたあの指数だ。その指数は未だ達成されず、先送りしながら声高に達成するという声だけが今も虚しく聞こえて来る。

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ソフトパワー大国

英国のコンサルティング会社が「ソフトパワー」の世界ランキングを発表した。1位英国、2位ドイツ、3位米国、そして日本は8位だった。「ソフトパワー」とは、その国の文化や政治的価値観や政策の魅力に対する理解を得て、国際社会からの信頼や発言力を獲得し得る力のこと。簡単に言うと非軍事国力だ。対義語は「ハードパワー」で、国家の軍事力や経済力などによる対外的な強制力。「ソフトパワー」は、政府、教育、文化、企業活動、外交、デジタルの6分野を数値化して順位付けするとのこと。結果に対するコメントが的を射ている。1位の英国は、文化やデジタル、外交で高得点を得たようだが、1位を獲得したのは英国の会社が評価したという依怙贔屓もあるからだろう。日本は、教育や企業活動でポイントを得た。独自の文化や技術開発力が優れているが、高い教育の割に英語によるコミュニケーションが弱いと指摘された。その通りだと思う。政府や外交は言うに及ばずということなのだろう。20位の韓国は、サムスンを評価するものの日韓関係の悪化を深刻な課題と位置付けた。30位の中国は、経済発展に政治制度が追いついていないと分析。インターネットの検閲や政治的な異論の封じ込めが国の起業家精神を湿らせ、社会の発展を妨げているとも指摘。株式市場のバブル崩壊の懸念も悪材料とみなされた。「ソフトパワー」をヒトに例えると、聡明で見識もあり人付き合いも良く、自立心に溢れた個性的なスポーツマンと言えるかもしれえない。勿論今後日本はソフトパワー大国を目指すべきだと思う。

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忍法目眩しの術

集団的自衛権の定義や歯止めが曖昧なまま、自民が特別委員会で強行採決を行った。法律は出来てしまえば、その時その時の権力者により拡大解釈が可能だ。安倍首相の想定した範囲が、人が変われば広がる恐れは充分にある。と言うよりは拡大解釈されていくのが当たり前の世界だ。あの戦争に突入した過去の経緯が脳裏に蘇り、戦争に巻き込まれるのではと、国民の誰しもが不安を感じているに違いない。安倍は強行採決後の会見で「国民に理解されていないのでこれから十分に説明する」と述べたが、本末転倒も甚だしい。話がアベコベだ。夕方のニュースは安全保障一色になると思っていたら、安倍はすかさず新国立競技場の見直しも持ち出した。安全保障と競技場を較べると重要度は月とスッポンほどの大きな差があるが、競技場建設費は国民に身近で分かり易い問題だ。安倍にとって競技場問題はまさに安全保障法案の目眩しの道具に違いない。「国民の8割が反対しているので見直す」と言えば、いかにも国民の声を真摯に受け止めているように見える。建設費を削減出来れば成果になる。たとえ現行案のままとなっても「徹底的に見直した」と言い訳が立つ。競技場建設見直し表明は、どっちに転んでも安倍の成果に結びつく。強行採決の非難を和らげるため、このタイミングで競技場問題見直しを言い出すのは極めて姑息だ。明日のテレビの報道番組は新国立競技場見直し一色になりそうだ。

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後れ馳せながらの古希

カミサンと自分は高校の時の同級生で同じ昭和21年生まれの同い年だが、誕生月はカミサンの方が少し早くこの7月に満69歳になった。還暦が過ぎてから早9年が経ち、いよいよ来年は古希を迎えるのかと思っていた。と言うのも今まで還暦は60歳、古希は70歳のお祝いだと認識していたからだ。ところが偶々調べてみて間違いに気が付いた。還暦は満60歳なのだが、古希は数え年70歳、即ち古希は満69歳なのだ。カミサンと自分は今年の正月に既に古希になっていたのだ。後れ馳せながら近いうちに二人で祝宴をあげようと思う。考えてみると日本の年齢の数え方は極めて複雑だ。日本の法律では殆んどが満年齢を基準にしているが、運転免許は誕生日基準で年を数え有効期間が決められる。会社では新卒者には学歴に応じた学卒年齢に、健康診断では年度末の満年齢が検診年齢になる。そして伝統行事には数え年あり満年齢ありと絡み合っている。一方長寿を祝う年齢の名称は極めてお茶目だ。77歳は喜の草書体の七七七で喜寿、80歳は傘の八と十で傘寿、88歳は米の八と十と八で米寿、99歳は百から一を引いて白で白寿という具合。何となく親しみを感じ、自分もそこに到達出来たら嬉しいと思うようになる。長寿を願った昔の人の知恵なのかもしれない。

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説明責任と説得責任

安全保障法案の審議時間が100時間を超えた。自民は議論は尽くされたと言い、民主は不十分と言っている。自民は100時間を超えた事実をもって採決を強行しようとしている。憲法審議会では全員の憲法学者が違憲だと断定したが、自民は学者と政治は違うと訳の解らないことを言う。中央公聴会でも法案の違憲性が指摘されたが、政府は首をすくめてやり過ごしそうだ。集団的自衛権の解釈では、防衛相が何度も答弁を訂正し、法案の内容を理解していないことを曝け出した。挙げ句の果て、自民はメディアに対し厳重な言論戒厳令を敷いた。自民若手が主催した小林よしのりの勉強会を中止させ、朝まで生テレへ出席予定の議員をドタキャンさせた。討論番組でボロを出されるのを恐れた為だろうが、要するに、議員すらも法案の内容を理解していないという証明だ。安倍はたとえ話を連発しているが、法案を理解しているようには、とても思えない。分からない人が説明しても国民が理解出来るはずがない。安倍は国民の理解は進んでいると言うが、おそらく理解している国民は多くても1%以下だろう。審議100時間、中央公聴会開催というアリバイ作りだけで、国会議員も国民も理解出来ていない法案を強行採決すべきではない。2500億円の新国立競技場建設には国民の8割が反対している。それでも路線を曲げないで強行しそうだ。安倍にポピュリストになれとは言わない。安倍は説明責任を果たすべきだ。いや安倍には国民に対する説得責任がある。

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探究するということ

長いことブログを書き続けていると、自分は何に興味を持っているのかが分かってくることもある。意外なことに自分のブログには、宇宙や星に関することが多いことに気付いた。まさにブログを書き続けて見なければ分からなかった発見だ。NASAの無人探査機ニューホライズンズが14日に冥王星に最接近するとのこと。冥王星は地球から48億キロ離れている上、月よりも小さく、大型望遠鏡で観測してもぼんやりとしか見えない。冥王星は直径約2380km、1930年に発見され、長く太陽系の9番目の惑星とされた「水金地火木土天海メイ」のメイだが、その後惑星ではないとされ太陽系の惑星から外されてしまった経緯がある。驚くべき事はNASA計画だ。ニューホライズンズは2006年1月米フロリダ州の空軍基地から打ち上げられ、何と9年半の年月をかけ辿り着いた。ニューホライズンズが撮影した冥王星の画像には、地表に白いハートマークが映っている。ロマンチックな映像だ。ニューホライズンズは更に近づき、地形や大気の成分、冥王星の衛星カロンを観測するという。まさにファンタジックな世界だと思う。子供の頃は考古学者に憧れていた。でも大人になった今、宇宙に思いを馳せている。何か共通することが有りそうだ。そう、探究するということなのかもしれない。

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マスコミは熱くなれ

日本のニュース番組は薄情だと思う。太陽電池だけを動力源として世界一周の挑戦中のソーラー・インパルス2が、中国からハワイを目指す飛行中に不具合の為急遽日本に着陸したのが6月だった。偶々の日本訪問にマスコミが脚光を浴びせた。それが縁でソーラー・インパルス2のことを知った。当初の計画はアブダビを出発し5か月をかけて赤道沿いを12区間で世界一周。機体は、ジャンボ機より長い約72メートルある翼には約1万7000枚のソーラーパネル、太陽電池は約2万個で出力は66 kW、重量は2.3トン、4個の41kwのモーターと約600kgのリチウムイオンバッテリー。計画の中心人物は、飛行家で精神科医師のベルトラン・ピカール。6年前の初飛行では、飛行距離350m、飛行高度1mだったと言うから驚異の進歩だ。ピカールの祖父は物理学者で気球による高度記録を達成し、父は有人潜水深度記録を作った海洋探検者とのこと。正真正銘の冒険家一家のようだ。ソーラー・インパルス2は、6月末に日本を飛び立ちハワイに向かった。5日間もかかる。果たして無事行けるのだろうか。その後毎日のようにニュースを見ているが、一向にハワイに着いたというニュースは無い。だがCNNによると日本時間4日未明にオアフ島に到着したとのこと。良かったと安堵した反面、日本のニュースに異様な偏向さを感じた。大事な事はその後の状況をしっかりフォローすることだ。決して目先の出来事を熟せば良いという訳ではない。一つの事象や事件に対し、その本質を追っていくことこそマスコミの使命のはずだ。だからあのニュースは何だったのだろうかと思う。マスコミにはもっと熱くなれと激を飛ばしたいと思うのは自分だけなのだろうか。

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アップグレードしてはいけない

最新OSのWindows10が7月29日にマイクロソフト社より無償で公開されることになった。ところが、先日富士通からアップグレードするなと極めて異例なメールが届いた。自分の使っているパソコンは2011年型富士通FMVでOSはWindows7。Windows7をWindows10にアップグレードすると、動作が不安定になり今まで使っていた機能が利用出来なくなるケースがあるようだ。富士通はそのトラブルに対しサポートはしない。既にアップグレードの予約済みの方は予約をを取り消して下さいとのこと。Windowsシリーズは嘗てXPが全盛を極め長く続いたが、現在はWindows7が主流だ。マイクロソフトはスマホでアップル、Googleに後れを取り、Windows8も不評。だからこそ、巻き返しの切り札は、Windows7をWindows10にアップグレードすることだったはずだ。それなのにWindows7ユーザーを取り込めない。一方ブラウザーについてもトラブルが多い。2年前にWindows8が発売されてから、マイクロソフトのインターネットエクスプローラーの画像がずれたりフリーズすることが頻発したので、今はGoogleChromeに切り替えて使っている。マイクロソフトの技術力は落ちるところまで落ちてしまったのかもしれない。更にスマホの隆盛によりパソコン市場は縮小の一方だ。マイクロソフトにとってWindows10の欠陥は、弱り目に祟り目と言えそうだ。

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東芝怨念劇場

東芝の2000億円にも上る営業利益かさ上げの不適切会計問題で、佐々木副会長が会社と経団連を辞任することになったようだ。東芝といえば、売上6兆円、従業員数20万人の大企業。過去には石坂泰三や土光敏夫という偉大な経営者を輩出してきた企業だ。これほどの大企業でありながら、何故コンプライアンスが働かなかったのだろうかと不思議に思う。雑誌FACTAには生々しい実態記事が載っている。要は西田相談役と佐々木副会長の怨念戦争のようだ。西田相談役は第11代社長で後任に佐々木を指名し院政を敷こうとした。ところが佐々木は社長になると豹変し西田に楯つき両者の確執が始まった。当時西田は経団連の御手洗会長の後釜と目されていたが、日本商工会議所には第10代社長だった岡村会頭がいるため経団連入りは叶わなかった。一方佐々木は夢破れた西田を尻目に経団連副会長に就任した。西田も佐々木も社長当時は、売上・利益至上主義で現場に対し強引に成績を強制したようだ。最初に佐々木時代のインフラ事業の不適切会計が、西田側から証券取引等監視委員会にチクられ、それに対抗して佐々木側が西田の出身母体であるパソコン事業の不適切会計をチクり、結局第三者委員会の調査で全ての不適切会計が公になってしまったとさ。要するにいい年をした大人たちによるサル山の喧嘩の果てなのだ。東芝というと自分が中学生の頃のテレビ番組「東芝日曜劇場」を思い出す。押阪忍の「明日をつくる技術の東芝がお送りする東芝日曜劇場」というナレーションが懐かしい。スポンサーは代わったが「日曜劇場」は今も続いている。「東芝怨念劇場」というタイトルで実写版のドラマを作れば大当たりすること請け合いだ。

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アクティブラーニング

中央教育審議会の特別部会の委員たちが「アクティブラーニングって何?」ということで体験学習をしたというニュースには驚かされた。アクティブラーニングとは、教員が子どもに教える従来の受動的な講義形式ではなく、能動的に議論や体験学習を通して考える力を育てようというもの。XY座標で表すと、X軸は「活動の範囲」でプラス側になるほど広く、Y軸は「構造の自由度」でプラス側になるほど高い。現在の教育は左下の第3象限にあり、知識の定着を目指すだけで「活動の範囲」は狭く「構造の自由度」も低い位置にある。一方アクティブラーニングは右上の第1象限にあり「活動の範囲」は広く「構造の自由度」も高い。教員と学生が意思の疎通を図りながら切磋琢磨して知的に成長し、学生が主体的に問題を発見し解を見つけ出す能力を高めることを目指している。誰が考えても、従来の教育方法よりアクティブラーニングの方を社会が求めていることは容易に分かる。だから中教審自身が3年前に、従来の知識偏重型教育を否定し、アクティブラーニングへの転換を文科相に提言したのだ。提言から3年も過ぎて今更委員たちが「良く分からないのでアクティブラーニングを体験しよう」と言い出した。実際に体験して、アクティブラーニングの良さを実感したらしい。それはそれで良い。だが、何も分からぬ委員たちが集まって、日本の教育を論じて文科相に提言する中教審のあり方こそ、議題に取り上げるべきものだと思うのだが。

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七夕に「ひまわり8号」運用開始

今日は七夕。子供の頃、七夕が来るのが楽しみだった。短冊に何を願うかが重大事だった。竹笹に吊るした時に書いた願いが叶うと誤解していた。牽牛と織女の話も信じていた。昔は空気が澄んでいて天の川がよく見えた。母親にどれが牽牛星でどれが織女星を教えてもらった。小さな星が牽牛と織女に見えた。しかし天気の悪い日の七夕にはがっかりした。テルテル坊主を作って祈れば良かったと後悔したこともあった。七夕の今日から「ひまわり8号」の運用が開始された。ニュースでは、7号と8号の画像情報を比較している。8号の解像度は7号の2倍。白黒ではなくカラーだから雲と黄砂や火山灰を識別出来る。撮影間隔が30分から2分半に短縮され、急激に発達するゲリラ豪雨も監視し易くなる。という触れ込みだ。テレビ画像を見ても精度は高そうだ。だが8号の優れた性能を気象情報にどう生かすかは気象庁の頑張り次第だ。でも今の技術で1週間先まで正確に予報しろとは言わない。ひまわり8号には約500億円の費用がかかっている。ひまわり8号は気象庁のおもちゃではない。せめて2日後位は正確に天気を言い当てて欲しいものだと思う。

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OXI or NAI

財政再建策の賛否を問うギリシャ国民投票の結果は反対61%、賛成39%で、反対を訴えたチプラス首相が勝利した。テレビ画像にはOXIの文字が度々映っていた。始めはOが賛成、Xが反対、Iが棄権かと思ったが、OXIはNOでNAIがYESという意味らしい。期せずしてギリシャ語を2つ覚えることになった。気になるのは63%という投票率だ。国が右に進むか左に行くかという決断なのに何と37%もの人が棄権してしまったのだ。如何なる意思表示なのか自分には全く理解出来ない。自分にはもう一つ理解出来ないことがある。この国民投票は何の為に行ったかが分からない。国民が財政再建策に反対だということは分かったが、それが今後の行動にどう結び付くのかが分からない。EUの指導者もチプラス首相もギリシャ国民も、今後の展開を予測出来ないでいる。投票前のイメージでは、財政再建策とユーロ離脱とEU離脱について、国民の意思を明確にすることだと思っていた。最近「ドイツ帝国が世界を破滅させる:エマニュエル・トッド:文春新書」を読んだ。ユーロはドルと違い、ユーロ圏の国々の間で格差を生む欠陥システムだという。南欧諸国の富がドイツに吸い上げられるだけだという。ギリシャがユーロ圏に残留すれば、当面はソフトランディングにはなるが2~3年後にはまた同じ事が起きるはずだ。もしギリシャがユーロを離脱すれば、当面は大きな苦しみを味わうが行く行くは自立した国に生まれ変わると思う。国民投票はユーロ残留/離脱を問うべきだったと思う。

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事実と事実から生まれる嘘

フジテレビがまた放送倫理・番組向上機構BPOに訴えられた。訴えた人は、自転車事故で母親を亡くし高額の賠償金を得た人。自転車は軽車両で車両の一部。免許は不要だが重傷死亡事故を起こせば高額な賠償金が請求されることになる。フジテレビの訴えられた番組は、事実のみで構成されたドラマというコンセプトで製作しているという触れ込みだ。テーマに近年増え続ける自転車事故の深刻さを伝えることを選んだ。訴えた本人には、自転車事故の重大性を訴える内容との説明をし承諾を取った。ところが実際に放映された内容は、本人が高額の賠償金を得たというインタビューに続き、自転車事故が賠償金目当ての「当たり屋」だったという内容の再現ドラマだった。これでは誰が見ても被害者である訴えた人が「当たり屋」だと思ってしまう。本人は虚偽放送だとBPOに訴えた。フジテレビは、本人に不快な思いをさせたことは謝るが、当該番組は複数の取材や専門家の監修に基づき制作しており虚偽放送ではない、と言っている。確かに一つひとつは事実なのかもしれない。だが賠償金の次に当り屋が続けば、事実ではなくなってしまうのも事実だ。フジテレビの欠陥は、テーマを自転車事故が増え続けることにするのか、賠償金目当ての当たり屋にするのか絞りきれなかったことだ。更に監修の専門家の常識が欠けていたことだろう。フジテレビは民放の中で最も低迷している。泥沼は当分続きそうだ。

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新入社員の定年祝い

自分が係長だった頃に入社してきた新入社員が定年を迎える時代になってきた。今日は昔の研究仲間が集まり嘗ての新入社員の定年を祝う飲み会があった。希土類元素を研究していたグループだが、このグループは他の研究グループとは全く違う特長がある。通常研究は5年程度で完了してグループは解散し、メンバーたちは違うテーマの研究グループに移っていく。グループにいる時は飲み会やスポーツや旅行などを頻繁に行い仲間意識を盛り上げる。だが一度解散してしまうとグループとしての絆も切れてしまうのが一般的だ。しかし、このグループは違う。グループが解散してから既に30年が経過した。でも数年に1度は何かにこじつけて飲み会を開く。多くのメンバーが集まる。その飲み会が積み重なり今日に至っている。仲間意識が極めて高いのだ。何故なのだろうかと考えてみた。仕事だけのドライな関係ではなかった。仕事を一生懸命したが遊びも一所懸命だった。仕事が終わると皆で飲み屋に行きその後は我が家で大貧民というトランプ遊びで盛り上がった。お腹を壊した寮生を我が家に呼びおかゆを食べさせたこともある。時には仕事よりも運動会の準備を優先させたこともあった。入社早々の若者が多かったので、初めての仲間という意識が強く残ったのかもしれない。今になって考えると、多分家族的雰囲気が醸成したことが最大の要因だろうと思う。今ではそのメンバーが研究所長や工場長になっている。一番若かったメンバーは今や地方の総務課長として支社の顔になって活躍している。懐かしくて嬉しくて楽しい定年祝賀会だった。

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ミドリムシとコオロギ

世界人口が既に70億人を突破し、2050年には90億人に達すると予測されている。地球の人口キャパシティは70億人が限界と言われているから、地球規模での最大の課題は食糧の確保にある。東京大学発のバイオテクノロジー企業であるユーグレナの事業が順調に軌道に乗りつつあるようだ。世界で初めてミドリムシの屋外大量培養技術を石垣島で確立した。ミドリムシとは、鞭毛運動をする動物の性質と葉緑体で光合成を行う植物の性質とを併せ持ち、虫ではなく藻に近い単細胞生物だ。ヒトの必要栄養素を効率的に摂取できる食品でもあり、化粧品、バイオ燃料などの用途にも広がりをみせている優れもので、世界の食糧問題を解決する一つの方法と期待されている。ところが、世界には食糧問題を解決するためにミドリムシ以外にも多くの研究がなされている。未来の食糧源として昆虫が注目されている。フィンランドのベンチャー企業エント・キューブはコオロギの大量培養技術を確立したようだ。コオロギに含まれるプロテインは牛肉とほぼ同じで、動物と較べても栄養分に遜色はない。飼育コストが安い、飼育時間も短い、宗教的な制約もないなどのメリットもある。問題はその姿だ。日本でもイナゴの佃煮を食べるのは長野くらい。もしカミサンがコオロギの佃煮を見たら卒倒してしまうかもしれない。粉に変えることがベストだろう。あと10年もすると、スーパーの棚には小麦粉の隣にコオロギ粉が陳列されているかもしれない。

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「ゆう活」って何

7月から「ゆう活」が始まったとのニュース。はてさて「ゆう活」などという言葉は聞いた事が無い。何だろうかと思った。最近は婚活や就活や終活など、やたらと「活」を付けるので、その類かとは推測したが「ゆう」の意味が分からない。記事にはボルドー展の絵画を鑑賞する安倍首相の写真が載っている。これだけのヒントでは、増々「ゆう」が意味不明だ。仕方なく記事を読んで、やっと「ゆう活」の意味を理解した。政府が薦めるサマータイムのミニ版のようだ。ゆう活とは国家公務員の始業・退庁時間を1~2時間早める取り組みで、狙いは長時間労働の低減化とのこと。朝早めに出勤し夕方の定時には退庁して、仕事以外の生活を充実させ豊かな人生を送りましょうということらしい。「夕方に悠々」のイメージから「ゆう活」と名付けたとのこと。だが、定時には帰りましょうとのことだから、全体の時間がずれるサマータイムとも違う。どうやら定時後の残業分を定時前に熟しましょうということのようだ。残業ありきの設定とも受け取れる。残業の無い人は定時まで何をするのだろうか、早出残業は5割増し残業代なのだろうか、それとも通常の残業代なのだろうか、はたまた残業代は付かないのだろうかと余計なことに思いを巡らしてしまう。この「ゆう活」は8月末まで続く。果たして安倍首相の言うように「生活スタイルを変革する新たな国民運動を展開する」きっかけになるのだろうか。結論は9月に出ることになる。

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うるう秒対策

3年前にもこのブログで「うるう秒」のことを書いたが、今年は少し様子が違うようだ。午前8時59分59秒のあとに59分60秒の1秒が加えられる。3年前の7月1日は日曜日だったが、今年は平日の水曜日。NTTは前回通り時報サービスで8時59分59秒と9時00分00秒の間に1秒を挿入する。会員制交流サイトのミクシィは、前回サーバー障害が起きたので、その前後は一旦サーバーを停止して様子をみるらしい。問題は証券取引所だ。今は1千分の1秒単位で注文が飛び交う高速取引HFTの時代になっている。たとえ1秒間でも何が起こるか分からない。HFTとは高速処理のコンピューターを駆使して千分の1秒単位で膨大な売買小口売買を行い、わずかな価格差を利用して利益を得ようとするアルゴリズム取引のこと。ちなみにこの自動取引が最近の株価乱高下の一因と言われている。午前9時に取引を開始する東証は、時刻の精度を高めるためうるう秒の1秒を午前7時からの2時間(7200秒)の中に分散して調整するという。「うるう秒」が初めて実施されたのは1972年で、今回が26回目になる。正確さの追求も良いが、IT化が進んだ現在うるう秒の実施は影響が大きいとして国際的に議論されているようだ。時代が変われば時間の長さの価値が変わるものだとつくづく思う。

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