スズキの鈴木修会長兼社長が、社長職を長男に譲ると発表した。御年85歳の鈴木会長は5月の決算会見では、90歳までトップを続投すると表明していた。ところが6月27日の株主総会から僅か4日後に突然の社長交代だ。重要人事は株主総会にかけるのが常識。自分はスズキの株主ではないから文句を言う立場ではないが、株主たちは今年の株主総会は一体何だったのだろうかと思っているに違いない。鈴木会長は優秀な経営者でスズキの中興の祖と敬われている。経営実績は申し分ないが、ワンマン経営者としても名を馳せている。不確定要素の多い時代にはワンマン経営は機能し効率が良い。しかし一方で裸の王様状態にも陥り易い。裸の王様の下では優秀な部下が育たないのも常識だ。突然の社長交代もそれを裏付けているように映る。自分も嘗て子会社に移った時ワンマン経営者の下で働いたことがある。確かにその経営者は優秀で、問題意識も明確で行動力もあり、相手の意見をねじ伏せる豪傑だった。問題は部下たちだ。取締役を筆頭に部課長クラスが全員ワンマン社長の意向ばかりに目を向けている。と言うよりはビクビクしている。ドイツで重大な品質問題が起きた時すぐに品質責任者が現地に駆け付けるべきなのに、品質担当常務は品質保証部長に対し、社長が行けと言うかもしれないから待機しておけと指示していた。常務ですら自ら決断が出来ない体たらくなのだ。フセインがきっちり治めていた頃のイラクと子会社がダブって見えた。この会社もワンマン社長が去れば今のイラクと同じようになるのかもしれないと思った。自分が早期退職したのは、この会社風土に嫌気がさしたことも一つの要因だった。
千葉の野田市がコウノトリを保護するため、150m以内に近づくことを禁止する条例を可決したという。同時に絶滅の恐れがある県のレッドデータブックに掲載する動植物も、採取や捕獲を禁止したとのこと。この条例は結構なことだが、一方国の保護政策がきっかけで大繁殖し、深刻な被害をもたらしている動物もいる。鹿だ。鹿が田畑の穀物や野菜を食べ尽くす農業の大敵であることは有名だ。野菜が無ければ樹木の皮や新芽を食べて枯らしてしまうし、草や枯葉も食べて表土を無くしてしまう。それだけでなくマダニやヤマビルを拡散させヒトに被害を与えている。国は政策を改め鹿を10年後までに半減させることにした。だが、これは目標値を設定しただけで、効果は上がっていない。鹿は繁殖力が高く捕獲目標が追いつかない。更に捕獲を行う猟友会などの人材不足で捕獲目標を達成出来ないのが現状だ。何故これほど酷い被害が出るまで国は放っておいたのかと憤りを感じる。もっと早く手を打っていれば、ヒトや自然への被害も少ないし、鹿も枯葉を食べるほどのひもじい思いをせずに済んだはずだ。政策や条例は、一度決めると突っ走り止められなくなるのが日本の政治だ。レッドデータブックに掲載の動植物が野田市に被害を及ぼさないことを願いたいものだ。
ザハ・ハディド氏の作品は1300億円との触れ込みだったが、現実の見積もりは3000億円に膨らんだ。それでは高過ぎると鉛筆を舐め舐めして1600億円と偽ってみたものの、最終的には2500億円で落ち着いた。ハディド氏は当選したことに驚き、マジでこんなものを作るのかと言ったとか。実質的にハディド氏の作品に決めたのは有識者委員会で、当時太鼓判を捺した建築家の安藤忠雄はいまダンマリを決め込んでいる。当時のゼネコンは建設可能とコメントしたが、金と時間を無視すればという条件付きだった。平たく言えば2020年までには出来ないという事だ。責任者である文科省は事業を日本スポーツ振興センターJSCに委託した。JSCは当初から実現不可能な無謀な計画と分かっていながら、計画の推進が責務なので、無謀などとは言えない立場だと責任を放棄した。東京五輪を招致した猪瀬都知事は実行責任者になりたがったが、森元首相にその座を奪われ、かつ徳洲会汚職で辞任してしまった。猪瀬の後を引き継いだ舛添は、猪瀬の500億円拠出の密約を知りながら、下村文科相には知らぬ存ぜぬを通して、都民に対しいい子ブリッコを演じて問題を複雑化させた。挙げ句の果てに、文科相はハディドのアーチ構造は、国際公約だとして実行すると言う。全てがハチャメチャだ。ハディド氏の見積もりは無責任だから、契約を解消しても何の問題もないし、寧ろ契約違反と弾糾すべきレベルにある。安藤とゼネコンも出来ないものを出来ると言ったのだから責任は重い。招致しながら辞任に追い込まれた猪瀬も脇が甘いという意味では無責任だ。森元首相や舛添やJSC幹部などは、言うに及ばず。新国立競技場建設の問題点は、たった一つだけだ。最終の責任を取るリーダーがいないこと。無責任の連鎖が続いている。
今日は半年ぶりのミニクラス会だ。5年前に先立った仲間を偲んで呑兵衛仲間の有志が集まった。毎度お馴染みの幹事の行き付けの居酒屋は、若いカップルで満席だった。数年前はガラガラだったので、間違いなく景気が上向いていることを感じさせた。昭和40年に一緒に高校を卒業した仲間だから70歳も間近で、もう食は太くない。アルコールは好きだがバカ飲みもしない。酒の肴は大皿に盛られたキンキの煮付けから始まった。普段の自分は魚の煮付けは敬遠気味の方だが、この煮付けは美味かった。ふわっとした肉厚な身にコラーゲンが纏わりついていて、口の中で溶けていく。全員が骨までしゃぶり尽くし、大皿には汁だけが残った。先立った仲間の思い出話が一巡し、それをネタに話が拡散していった。半世紀前の当時には知らなかった話が多かった。「実はあいつはね」とか「あれとあれの関係は」とか、暴露話に話題が弾んだ。知っていれば自分の人生も変わっていたのかもしれないとも思ったりした。しかし所詮は昔話だ。寧ろ気楽に聞き流し楽しめることが、時の経ったことを感じさせた。最後の〆にご飯を頼んだ。茶碗にご飯を盛り、大皿に残ったキンキの汁を注ぎ全員で食べた。「美味い」と声と顔を合わせ、お開きになった。仲間を偲ぶ楽しい会であった。
アメリカ食品医薬品局FDAが人工トランス脂肪酸を3年後に全面禁止すると発表した。人工トランス脂肪酸はマーガリンやショートニングに含まれていて、過剰に摂取すると心臓病のリスクを高めるとの研究結果がある。WHOはトランス脂肪酸の摂取を総エネルギー摂取量の1%未満に抑えるよう目標値を設定しているが、日本の食品安全委員会は日本人の摂取量は目標値以下なので健康への影響は小さいとして規制していない。だが我が家では5~6年前にマーガリンをバターに切り替えた。トランス脂肪酸の健康への影響についての研究は、歴史も長く感動的だ。60年以上に亘ってトランス脂肪酸が動脈を詰まらせる物質だとして、危険性を訴え続けてきた研究者がいる。イリノイ大学のカマロー教授だ。教授は60年前に心臓病で死亡した患者の動脈組織中に高濃度のトランス脂肪酸を発見。その後トランス脂肪酸の危険性を実験的に証明。30~40年前頃はバターよりもマーガリンの方が安全と世間では信じられていたが、教授は食品業界に危険性を警告。10年前から食品に含まれるトランス脂肪酸の表示が義務化された。6年前に教授は使用禁止の嘆願書をFDAに提出したが返答がなかったので、2年前に訴訟を起こした。訴訟の結果FDAはやっと重い腰を上げトランス脂肪酸を全面禁止するとの発表に至った次第。カマロー教授は今年100歳を迎え未だに健在だ。一念岩をも通す。社会貢献に徹した研究者の鏡といえる。
今月末が期限となるギリシア再支援の合意交渉がクライマックスを迎えている。債権者のトロイカ(IMF、ECB、ユーロ同盟国)がOKを出せば、ギリシアは債務不履行とユーロ離脱は免れるが、歳入増のため消費税増税、脱税恩赦、預金引き出し制限を実施することになる。もしNOであれば、ユーロ離脱となりギリシアに続く離脱国が現れユーロ体制が崩壊していくかもしれない。それにしてもギリシアのチプラス首相の交渉力は強いものだと感心する。もしギリシアの首相が日本人気質であれば、即トロイカに屈服してしまうに違いない。なにしろ日本は、借金が返せなければ相手に申し訳ないと思い自殺してしまう人が出るような国なのだから。チプラス首相の強さは、欧米人特有のものかもしれないが、その強さを増強させている話がある。チプラス首相がロシアを訪問しプーチン大統領に会い、ともに同盟国であるべきだと合意した。場合によっては、ギリシアはNATOからロシア側に寝返るぞというサインだ。プーチンはギリシアを更に心強くさせる話をしたようだ。プーチンは「100万円借りた場合は借りた者の問題だが、100億円借りたら困るのは貸した方だ」と言い、心配せずに頑張れとチプラス首相を励ましたとのこと。確かにギリシアの負債は巨額だ。巨額過ぎて潰せないのも事実。チプラス首相は寝技も上手そうだが、巨額な負債という強い味方も付けた。どうやら落としどころが見えてきたようだ。しかし、長い目で見ると、ギリシアにとってOK/NOのどちらの道が幸せに繋がるのかは誰も分からない。
2020年東京五輪のメイン会場になる新国立競技場のデザインが当初の面影のあるアーチ構造に決まったらしい。招致活動時に選ばれたザハ・ハディド氏の作品は1300億円の見込みだったが、現実の見積もりは3000億円になり問題化した。その後舛添都知事などとスッタモンダがあったが、結局文科省は2500億円でアーチ構造を承認し業者と契約をするという。巷では、東京都が500億円を拠出する密約などで騒いでいるが、ことの本質はそこには無い。問題はアーチ構造にある。2500億円という途方もないお金がかかるが、そのうち1000億円以上はアーチ構造だけのための建設費という。何故アーチ構造にする目的があるのだろうか。第一義は、ハディド氏のイメージに下村文科相が拘った為。しかも第二義は存在しない。第三義は強引に推薦した安藤建築士の呪縛かもしれない。では、アーチ構造は如何なる恩恵を齎すのだろうか。アーチ構造が齎す恩恵は何もないと建築家は言う。現実には恩恵よりも災いを齎すようだ。強度が弱く地震や火災や雪にも弱い。もし東京大震災が起きれば、避難所ではなく凶器になるかも知れない。それ以外の何物でもない。要するに見栄え以外に取り柄が無いのだ。それでも1000億円以上の金をかけてアーチを作るという。最早見栄の張り合いと言うか、意地の突っ張り合いとしか映らない。既にIOCは世代交代して、バッハ会長は低コスト開催を推奨している。だが開催地の日本は文科相の見栄だけで1000億円ものお金を浪費しようとしている。もし新IOCが機能するのであれば、日本の狂気に歯止めをかけて欲しいと思う。とても残念だが新国立競技場建設をストップするにはバッハ会長の横槍しかない。国民から見れば、時の責任者である文科相が、それ相応の人物ではなかったのがめちゃくちゃ残念だと思うしかない。それが日本の国民の心情だ。
DeNAが巨人を下し12連敗の長いトンネルをやっと抜けた。DeNAのファンではないが、今年のDeNAは興味深い。5月中旬に中日を下し中畑監督が指揮を執って以来通算200勝を達成し、16年ぶりに貯金を8と伸ばし首位を確保した。まさに球団創立以来初めてのイケイケ状態だった。ところが、首位で臨んだ交流戦で連敗を喫し、今日の勝利が6月に入り何とまだ2勝目だ。この変わり様は、リーグ戦から交流戦に移ったことだけでは理由が付かない。調べてみると、それなりの訳があるようだ。中畑監督が通算200勝を挙げた試合の後、ナインに対し「あとは5割でいい」と言ったらしい。その言葉を聞いて、それまで、まるで夢のような活躍をしてきた選手たちが、ハッと夢から覚めてしまったようだ。まさに過去の弱い世界に引き戻されたのかもしれない。戦国の強い武将は、戦に勝っても「勝って兜の緒を締めよ」と家来を引き締めたものだ。だが、中畑は兜の緒も馬の手綱も緩めてしまったのだ。今日現在DeNAは12連敗しても未だに3位を保っている。中畑にはツキがあるようだ。しかし、一度緩めた手綱を再度引き締めることは、誰にとっても至難の業だ。再度連勝ペースに戻せれば優秀な監督との誉れを受けるが、このまま進み定位置の6位で終われば史上最低の監督の烙印が捺されることになる。中畑の才覚が試されようとしている。ここ1~2週間がまさに中畑人生の分水嶺に違いない。
増田元総務相が座長を務める日本創生会議が「老人は地方へ」と提言し波紋を広げている。今後高齢者が急増する首都圏では医療介護サービスの供給が追いつかなくなるから、老人は盛岡や高松や熊本など供給に余裕のある都市に移住すべき、という内容だ。この提案を受けて政府の地方創生策が動き出すというが、果たしてこの提案は的を射ているのだろうか。一時流行った米国の元気な富裕高齢者だけが移住してスポーツや娯楽を楽しむニュータウン作りを見習って、日本版の構想を練るようだ。だが、このニュータウンは既に失敗している。元気だった高齢者が、すぐに要介護になり介護タウンになってしまった。同じことを日本ですれば、地方に負担を押し付けるだけになる。更に高齢者には転居自体が負担だ。転居がきっかけでコミュニティがなくなり、鬱になったり認知症が進む恐れは充分にある。従って「老人は地方へ」ではなく「老人は地元で」生活出来るよう、首都圏の医療介護サービスを高めるべきだ。一方地方創生相は「若者を地元に」引き留めるか「若者を地方へ」向かわせる政策を編み出すべきだと思う。
今日の朝刊の全面広告を見て、時代は移りゆくものだとしみじみ感じた。京都らしき風景をバックに「大量消費の国。価値を伝え継ぐ国。豊かなのはどちらでしょう」とのキャッチコピー。物の価値を大切にして次代に引き継ぎましょうというメッセージだ。どこの企業だろうかと興味を持った。広告の主は、何と質屋の大黒屋だ。昔々自分が小学生になる頃、品川区の大井に住んでいた頃を思い出す。隣は質屋で、近所には競馬場があった。ある日見知らぬオジサンが我が家に来て、時計を預けるのでお金を貸してくれと言ってきた。質屋は隣ですよと母が言うと、オジサンは来てみたら質屋が休みだったのでと頭を下げた。競馬ですってしまって帰りの切符が買えないのだと言う。母が「うちは質屋じゃないからだめです」と断ると、オジサンは「重々承知しています。後日必ずお金を返しに来ますから」と懇願し、母は時計をカタに取らずに渋々切符代を貸してあげたことがある。しかし、その後オジサンが我が家に来ることはなかった。その後別のオジサンが同じ理由で来たことがあるが、母はきっぱりと断っていた。質屋とは一時的な繋ぎ資金を必要とする人が通うもので、預けた物が質流れしないようまたまた金の工面をしなければならない。半世紀前の質屋といえば、こんなイメージだった。ところが最近は物が有り余る時代だ。ブランド品や貰い物は不要となれば質屋で換金するのが当たり前になっている。勿論質流れを前提としている。大黒屋の広告の通り、現在の質屋は高級リサイクルショップ業ということなのだろう。
サントリー食品がJTの自販機事業を1500億円で買収したが、日経では「高値掴み」ではと批判的だ。業界の想定では1000億円だったとのことだから500億円も高いことになる。本当に高い買い物なのだろうか。自販機商売は設置数でシェアが決まると言われている。首位の日本コカ・コーラは83万台で、2位のサントリーは49万台にJTの14万台が加わり63万台になる。キリン、アサヒの倍以上になる。日本は自販機天国だ。これほど自販機が普及している国は日本以外には無い。もう既に設置は飽和状態で設置すること自体が難しくなっている。たとえ設置場所を見つけたとしても、自販機を設置するには地権者の許諾をとり電気を引く必要があり、手間もかかる。お金で手っ取り早く14万台の自販機を手に入れたサントリーは賢いと思う。販売ルートは確保したのだから、あとは売れる商品の開発に専念出来る。サントリーは時々販売見込み量を超える為出荷体制が整わず出荷停止を起こしている。「レモンジーナ」も「ヨーグリーナ」も売れるのに未だに市場へ供給されていない。作れば売れるが作れない、とは余りにも贅沢な悩みだ。出荷体制は時間が解決する。売れる商品開発はお手の物。そして販売網も拡大した。サントリーが飲料で天下を取るのは間近のようだ。
他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案が迷走している。そもそも憲法審査会に招集された憲法学者3名全員が「集団的自衛権は違憲」と述べたことが発端だ。自民は船田元が人選を誤らなければこんな混乱は無かったはずと切歯扼腕している。しかし憲法学者の9割が違憲だと表明しているのが現実だから、船田の間違いでもないようだ。自分も集団的自衛権は間違いなく違憲だと思う。では集団的自衛権は不要なのかと問われれば、必要かもとも思っている。しかし、安倍内閣のやり方は尋常ではない。カラスは白いと言わせて、改憲無しに集団的自衛権を成立させようとしている。こんな無理強いが通る訳がない。国会をいくら延長しようとも成立は為し得ないだろう。本来そんな努力をするよりは、正当に改憲を推し進めた方が本道であるし近道だとも思う。衆院平和安全法制特別委員会では、こんな議論が繰り広げられている。民主の寺田議員が集団的自衛権と憲法の関係を例え「腐った味噌汁から一杯だけを取り出しても腐っている」と問いただしたところ、内閣法制局長官は「フグは肝を外せば食べられる」と言ったとか。民主は何と国民の命を守ることを腐った味噌汁に例えた。民主自体が腐っている。このディベートだけを評価すれば、長官の勝ち。ただフグを捌くにはフグ調理師の免許がいる。しかしこの免許は国家資格ではないので、各都道府県が個別に定めていて、その圏内でしか通用しない。安倍の主張はフグ調理師の免許も無いのに、フグは美味いから自ら捌いて食べようと言っているようなものだ。そのうちテトロドトキシンの毒にあたり、痺れて動けなくなり死に到る。フグ調理師という改憲免許は絶対必要だ。
手に汗を握る面白い試合だった。男子テニスツアーのマスターズ500ハーレ・オープンの2回戦、錦織対ブラウン戦がゴールデンタイムに放送された。ブラウンはトリッキーで大物喰い。昨年は2回戦で、あのナダルをストレートで下した実績があり番狂わせを起こすことで知られている危険な選手とのこと。初めて見たが、長く編んだドレッドヘアーとノースリーブと柔軟で強靭そうな体付きは、テニス界では異様に映る。陸上のボルトみたいで強そうに見えると思ったら、父がジャマイカ人で母がドイツ人らしい。第一セットは、5-5まで互いにサービスゲームをキープし、どちらがセットを取るか分からない程互角。ハードヒットだけでなく緩急の使い分けも自在だ。200km超のビッグサーブを放ち、ネットダッシュしてリターンボールをネット際にポトリと落とす。さすがの錦織も拾えないシーンが何度もあった。結局第11ゲームでブラウンがブレークされて、次に錦織がキープし7-5で錦織が第一セットを取った。第二セットは錦織が圧倒し6-1となりゲームセット。まるでトンネルズの番組に出て来る錦織とアガシやマッケンローとのゲームを観ているようだった。観ていて面白い試合だった。きっと、錦織もブラウンもゲームを楽しんだに違いない。増々テニス熱が上がりそうな気配だ。
つくづく環境相になる人物は頭が悪いか不勉強だと思う。東日本大震災後、原発再稼働がNOとなり、再生エネルギー源が持て囃された時代、石炭火力発電にNOと言ったのが石原環境相だった。持ち前の不勉強だから、当然石炭火力発電の進歩を知らない。煙モクモクで二酸化炭素の元凶という認識しかなかったのだろう。まずは反対と手を挙げたが、その後周りに言い含められ、最新技術の現場を見に行った。そしてその革新性に感銘し、前言を翻し石炭にGOサインを出した。その前例があるのに望月環境相は、山口県宇部で計画されている石炭火力発電所に「是認し難い」とNOの意見書を提出した。望月環境相の判断は間違っているが、その背景にあるものは何なのだろうか。第一は石原と同様勉強不足。第二は政府がサミットでの恰好付けのために達成出来るはずのない目標を設定した温暖化ガス2030年26%削減。第三は先日経産省が発表した2030年の電源構成案。石炭とガス火力を極端に減らし原子力を無理やり増やし、原発神話を復活させなければ実現不可能な案だ。望月は環境相かつ原子力防災担当相として福島の土壌や海洋の放射能汚染を、どのように考えているのだろうかと疑ってしまう。いや何も考えてはいないのだろう。環境相は単に「是認し難い」などと発言すべきではない。寧ろ石炭についてもガスについても、次世代型への移行促進を推奨すべき立場にいるはずだ。
Yahoo!JAPANのヘッドラインニュースは、見出しが13文字程度で表現されていて、一目で内容が分かり易く優れものだと思う。ネット時代には合っている。しかし文字数限定の為か、反対の意味に取れることもあるし、早とちりして誤解することもある。先日「さいとうさん漫画ゴルゴ、間引き」という見出しが目に止まった。最近は文章を読んでからその内容を理解するというステップよりも、短文を見た瞬間に自分なりにイメージしてしまう癖が付いてしまっている。「漫画」と「間引き」には相関が無い。だから一瞬「有名漫画家が本を万引き」とイメージしてしまった。まさかと思い、内容を確認した。勿論万引ではない。内容はゴルゴ13で有名なさいとうたかおさんの1400ページの長編コミックを、出版社が作者に無断で400ページ分を間引いて編集し出版。そのため主要な人物が姿を消したり、新しい人物が突如登場したりで意味が通じなくなっていたとのこと。この件は単に出版社の凡ミスだから大した問題ではないが、もしゴルゴ漫画ファンの麻生財務相がこの本を見たら何と言うだろうかとイメージを膨らました。大雑把な性格そうだから、物語の整合性など気付かないかもしれないし、あるいはすでに既読済みで間引かれた400ページを言い当てているかもしれない。漫画は想像と現実の世界を融合させイメージを生み出す魔力を持っていることを実感した次第。
4年前に全ての住宅に対し火災警報器の設置が義務付けられたが、普及が遅れているようだ。我が家は業者に頼んで4年前に設置した。設置後、業者が警報を発するかをチェックする。結構大きな音だ。「いつもは鳴りませんから」と言う。「そう言えば先日あるお客さんのお宅で、一度も鳴らないけど壊れているんじゃない」と言われたそうだ。「しょっちゅう鳴っちゃいけないんです」と答えて大笑いをしたとか。勿論我が家でも設置以来一度も鳴ってはいない。消防庁によると、全都道府県の平均設置率は80%弱だが、県間のバラツキが大きい。設置率トップの福井県は94.5%だが、ビリの岡山県は60.7%。アンケート調査によると、警報器を設置しない理由は、必要を感じない、義務化を知らなかった、価格が高い、自分で取り付けるのが難しい、などが挙がった。神栖市は助成をしたが63%とのことだから価格の問題ではなさそうだ。トップの福井県は何故普及が進んだのだろうか。福井県では各消防本部が全戸訪問をしたとのこと。必要と感じない人に必要性を説き、義務化されたことを知らせる行動をとったのだ。消防署の仕事は火事を消すことだけではない。火事を出さない方策や、火事が起きても被害を最小限に食い止めるための注意喚起も大事な仕事だ。火災警報器の県別設置率の数字は、県別消防本部の本気度とも言えそうだ。
自分は56歳になる寸前に自動車免許を取得した。それから13年近く過ぎ、事故もなく免許はゴールドではあるが、未だ腕はブルーには及ばない。それ故小さなトラブルが多い。10年近く前、山梨の方にドライブに行った時の事だ。甲府から河口湖に抜ける御坂トンネルの中で、対向車からパッシングライトを受けたことがある。眩しいと感じながら、何故パッシングするのかなと思った。そしてやっと気が付いた。ライトをハイビームにして走行していたのだ。常識としては、ロービームにすることは知っていたが、今、自分の車がハイビームなのかロービームなのかが分からなかった。夜間に走行する場合、ハイビームならば100m先が見えるが、ロービームでは精々40mだ。運転する側には安全上もハイビームであるべきだし、対向車にはロービームであるべきだ。まさに二律背反の問題と言える。ところが、この二律背反を解決する技術が出来たという。マツダはカメラで検知し対向車の方向のハイビーム部分だけを消去する。トヨタはカメラで検知して遮光板で遮る。富士重工と日産とホンダは自動的にハイとローを切り替える。三者三様だが効果はありそうだ。自動車技術の進歩は目覚ましい。日本の自動車メーカーの痒い所に手が届く開発姿勢が素晴らしい。安全が一歩前進しそうだ。
昨年に引き続き今年もバターを緊急輸入するという。バター命のパティシエたちは困っている。去年このブログでバター緊急輸入の不思議を書いたことがある。全く同じ事が起きたのは何故なのだろう。当時は「農水省がバターよりもチーズを優遇する補助金に変えたので、生産者が生乳をチーズにより多く振り向けた。単なる農水省の行政ミスなのだ」と推測した。ところが、今年になってそれが大間違いだったことが分かった。チーズをバターよりも優遇するには明確な理由があるようだ。一言で言うと「国内酪農家の保護」。バターはコメや小麦などと同じ政府管理の国家貿易になっている。政府はバターと脱脂粉乳に高関税をかけ、国内の酪農家を保護している。何故バターと脱脂粉乳なのだろう。理由はこうだ。牛乳からバターの成分となる油脂分を除いたのが脱脂粉乳だ。逆も真なりで、バターと脱脂粉乳を水に溶かせば牛乳に戻すことが出来る。しかしチーズでは戻らない。政府は国内の酪農を保護するため、国内に流通するバターと脱脂粉乳は国内産で賄い、不足分を政府が輸入し乳業メーカーに売り渡す仕組みを作っている。姑息なやり方だと思う。もしTPPが成立すれば、このやり方が国内酪農を壊滅させることになる。政府は、正々堂々と国内酪農を国外と戦えるよう育成する方策をとるべきだと思う。
コンプライアンスが大切とは言うものの、最近頓に大企業の劣化が目立つようになってきた。東芝は6事業全部門で大規模な不適切会計が見つかってしまった。野村証券は主幹事を務めたグノシー上場で赤字と知りながら黒字だと騙した疑いがある。キヤノンは80歳の元経団連会長が会長兼社長に居座り、後に続く役員たちも70歳以上の高齢でしかも超高給取り。老人跋扈で機能不全に陥いり明日が見えない。シャープは業績の浮き沈みが激しい液晶事業を切り離せず、かつ将来の姿も描けない。みずほも三菱もサジを投げ、すでに解体の道しか残っていない。中でも断トツに劣化したのがオリンパスだ。イギリス人社長を解任したオリンパス事件が、あれで終わった訳ではないようだ。不正な企業買収をイギリス人社長が告発し、菊川会長らが引責辞任し、その後イギリス人社長が突然解任され菊川らが復活したあの事件だ。結局菊川が辞任し膿が出切ったように思われた。ところがギッチョン不正の体質は染み付いたままだ。本業は復活したものの、米国の反キックバック法違反の罰金を引当金として540億円計上。米国以外にインドでもブラジルでも問題視されている。巨額特損はまだまだ続きそうだ。銀行から来た会長と専務は、すでに泥舟から下船した。提携先のソニーから来た社外取締役も去った。だが船頭のいなくなった泥舟には高度な技術が積んである。社風は一朝一夕には変わらない。オリンパスの消滅がベストだ。高度な技術を富士フィルムあたりが引き継ぐと、技術が生かされることになりそうだ。
今日は日本のスポーツデーだ。サムライブルーが上出来だった。キリンチャレンジカップの対イラク戦で4-0の圧勝。得点以上に内容が良かった。縦への切り込みが鋭く選手全員が躍動していた。開始早々柴崎の縦パスに本田が飛び出し先制点をゲット。これで勢いづいた。宇佐美は相手最終ラインを一人で崩壊させ、岡崎のゴールをアシスト。久々の出場を果たした槙野は1得点を入れたばかりではなく、センターバックとして適切な指示を連発しチーム全体を機能させていた。見事な仕上がりだ。もうすぐW杯2次予選が始まる。選手には自信がついただろうし、応援側にはより大きな期待を膨らまさせた。価値のある壮行試合だったと思う。一方プロ野球では、中日の和田選手が42歳11か月で2000本安打を達成した。昨シーズンは死球を受け右手首を骨折し、あと15本を残して登録抹消になった。しかも痛めた右膝を手術し、今年のキャンプで左膝を痛めた。満身創痍だ。この時点で和田の2000本安打達成の可能性は、殆どなくなったものと思っていた。この逆境を乗り越えた和田の精神力は計り知れない。何が超人的な原動力を生み出すのだろうかは分からないが、スポーツファンに勇気を与えたことは間違いない。
トヨタ新株が波紋を呼んでいる。トヨタ新株は異例ずくめだ。購入してから5年間は売却出来ないが、その後発行額でトヨタが買い戻すという。元本割れなしで、配当利回り1.5%が保証されている。国債利回り0.1%に較べれば遥かに有利であることは間違いない。しかも議決権付きだ。まさに「サルでも分かるお買い得」という内容だ。トヨタの狙いは、安定株主の確保にあるようだ。今まで安定株主だった金融機関が、株価下落で資本不足に陥るリスクを避けるために保有株の売却を加速している背景がある。ところが、海外の主な株主は「日本国内の株主にのみ恩恵があり、海外の株主への配慮が不十分だ」と反対している。国内でも、実質的に損をしない株主が経営をチェック出来るのかとか、経営側に都合の良い株主をつくる目的ではないかと疑念の声もあるようだ。新型株発行には、今月16日の株主総会で株主の3分の2以上の賛成が必要だ。だがトヨタ株の3割は外国人株主。賛否の行方は分からない。もし提案が通れば、日本中の金融機関や個人が殺到するに間違いない。そして日本ではトヨタ新株を買えなかった多くの人が一騒動起こしそうな気がしてならない。
関東でも最近大きな地震が続いている。我が家が被災する恐れはないのか、市の防災マップで確認した。想定される東京湾北部地震M7.3では、震度6弱だが液状化の可能性は低く河川からの浸水もない地区になっている。家屋はへーベルなので倒壊の心配もない。また内閣府が想定している南海トラフ巨大地震による津波被害もないことになっている。一応安心しているが、更に心強いデータがあることが分かった。ジャパンホームシールド社が提供している「地盤サポートマップ」だ。この会社は地盤調査や地盤環境診断業務を行っているが、調査100万棟突破記念として無償でデータを提供している。データは全て実際に地盤調査が行われたスポットであるため説得力がある。通常のブラウザーで閲覧出来る。地盤の強度は4段階(強い地盤、やや強い、普通の、弱い)で表示される。早速我が家の地域を確認したところ「普通の地盤」であることが分かり安堵した。日本に住む以上、地震、噴火、津波の脅威は免れない。災害はいつ起こるかは分からないが、いつでも、いくらでも備えることは出来る。我が家が備えるべきことは、ライフライン遮断時の対処、数日間の水と食料の確保、家族との安否連絡手段だろう。災害は具体的に考えれば考えるほど、対策は具体的になる。こういうことを危機管理の心得というのだろうと思う。日本年金機構には、初耳というか耳が痛いという話なのかもしれない。
今年初めてのゴルフに行ってきた。100切りを目指しているので、練習場にはコンスタントに通っている。冬場は寒いので2週間に1回のペースだったが、春からは週1のペースになっている。練習場では単に球数を熟すだけではなく、毎回テーマを決めて取り組んできた結果、我ながら上手くなったと思っていた。ほぼ番手通りに飛距離は出るし、方向が極端にずれることもない。アプローチショットもそこそこコントロール出来る。この調子で行けば90台前半も夢ではないと思っていた。意気揚々としてゴルフ場に着きスタートした。ところが、第1打はダフり気味で左に引っ掛けた。そして第2打はユーティリティーで挽回を狙ったが、何と酷いトップ。結局トリプルボギーのスタートとなった。その後も4番ホールまで安定せず、散々の出だしだ。しかし途中で不調の原因が分かり修正したところ、5番以降はボギーペースを維持することが出来た。このまま行けば100切り寸前。昼食後後半がスタートした。ロングの12番にきたところ突然アゲインストの風が吹き出した。風に負けまいと力が入った。結局トリプルとなり、13番ではOBもありバブルパー。ここで100切りの夢は絶たれてしまった。ゴルフコースに行くと練習場では考えられないようなミスが出る。友人は「100切りは簡単。毎週コースに行けばすぐ切れる」と言うが、自分にとっては現実的な解決方法ではない。練習場で乗り越える道しかない。また新しい壁への挑戦が始まった。
政治家は見て呉れが大切なためか、頭髪を真っ黒に染めている人が多い。冴えない顔で生え際の5mmほどが白くなっている政治家を時々見かけるが、疲れ切っている様子が手に取るように分かる。TPP交渉の甘利大臣が最近坊主刈りになった。それまで真っ黒な髪だったが、坊主になった途端に白髪になった。TPPの苦労ではなく、染めていたことが証明された。自分は今年69歳になるが、髪はまだ黒い。若い頃と較べると白髪が目立つようにはなってきたが、ロマンスグレーには至らずまだ黒と言える。何故黒さを保っているのかは分からないが、風説の通り海藻をよく食べるからだと思っている。同じ食事をしているカミサンの髪も黒いから風説は正しいと思う。風説によると海藻のヨードが体内の新陳代謝を促し白髪化を防止しているらしい。但し長期間の摂取が必要なようだ。海苔、昆布、ワカメ、ヒジキは日本人の食卓には欠かせない存在だ。ところが、海藻を消化出来るのは日本人だけとのこと。海藻を消化するには、海藻に含まれている多糖類を分解する酵素が腸内にいることが必要だ。日本人だけがその酵素を持っていることが最近の研究で分かったようだ。海藻には水溶性食物繊維が豊富に含まれていて、それが食後の血糖値の急激な上昇を抑制することも知られている。最近では欧米でもヘルシー志向が高まり、海藻を食材として利用する例が増えているという。海藻は、英語でSeaweed(海の雑草)と呼ばれているが、最近ではSea
Vegetable(海の野菜)に昇格したようだ。海藻は、一度に大量に摂るとお腹を壊す。しかしコンスタントに少量摂ると健康に良い。海藻はアルコールとどこか似ているところがあるようだ。
一度始めると、次から次へと課題が見えてくる。奥の深さがゴルフの面白さだ。ところがプロの世界では、面白さに濃淡があるようだ。日本のプロトーナメントでは、女子は盛んだが男子は人気が無い。米国では、女子は韓国選手に乗っ取られスポンサーが激減したが、男子はウッズ不在と言えども世界トップレベルで人気は高い。日本の男子は何故米国に較べて人気が無いのだろうかを考えてみた。まず第一に実力が劣ること。素質もあるだろうが、才能を伸ばす優れたティーチングプロがいない。錦織にはマイケル・チャンがいるし、北島には平井コーチがいた。しかし松山でさえコーチがいないのが現状だ。優れたティーチングプロに巡り合えれば、世界の松山になるのは間違いないし、松山に続く者も出て来るはずだ。第二に選手のマナーが悪過ぎてファンが離れてしまったこと。ジャンボの悪癖を受け継いで、昨年賞金王の小田はゴルフ場でタバコは吸うし、授賞式には穴の開いたジーパン姿で出席した。選手会長の池田はヤクザ紛いの格好だし、インタビューも横柄だ。片山なんかはギャラリーに対し不遜な態度をとるのが目立つ。ゴルフをする前の心構えがなっていないのだ。日本のプロゴルフは、紳士のスポーツではなく貧氏のスポーツなのだ。第三にゴルフ協会は世界レベルの選手を育成する気が全くないこと。海外で活躍している選手に対し、国内試合数が少ないからとペナルティを課す始末。本来ならば、海外の実績を評価して招待するのが常識なのに。不振の男子プロゴルフを立て直すには、たった一つの事をすれば良い。日本プロゴルフ協会の改革。協会がやる気になれば直ぐに全てが解決するはずだ。簡単に思えるが、難しいのだろうか。
もう昔の話になるが、20年くらい前静岡県に単身赴任をしていた時、一人寂しくテレビを見ることがちょっちゅうあった。その頃静岡の地方テレビに、梶原しげるというアナウンサーかタレントみたいな人が出ていた。結構人の心を癒す技を持っているので、親しみを感じていた。先日その梶原さんが書いた「NHKアナウンサーは何故日本語力が崩壊してしまったのだろうか」というネット記事を見た。NHKのブラタモリに出て来た初顔の女性アナウンサーの言葉が、正しい敬語やアクセントではなく、日本語が崩壊していると嘆いているのだ。自分も初回のブラタモリの女性アナウンサーを見て「この発音おかしくない?」とカミサンと顔を見合わせたことを思い出した。確かに標準語ではない。最近のアナウンサーで正しいアクセントで話す人は稀だ。NHKの7時のニュースでお馴染みの武田真一アナウンサーでさえも、イントネーションがおかしい時がある。我が家では、その度に「今の発音は、こう言うべきだよね」と指摘し合っていたが、今では多過ぎて又かと顔を見合わせるだけで済むようになってしまった。敬語の使い方も同じ状況にある。梶原説によると、職場の敬語崩壊はパワハラ問題と関係しているとのこと。昔は何処にも怖い上司がいて、部下の間違った敬語の使い方を容赦なく指摘し指導していた。ところが、今は何でもパワハラと言えば、文句が付けられない時代になっている。パワハラというパワーで怖い上司は壊滅してしまったようだ。敬語を使うのは難しい。昔はその都度親が子供に教えてきたが、今は教えることの出来る親の数も減った。だが、敬語は昔から教養のバロメーターであるし、生まれ育ちを知る手掛かりでもある。せめてNHKのアナウンサーくらいは正しい敬語を使い、後世に伝え続けて欲しいものだと思う。
韓国の防疫対処能力も不安だが、日本の安全保障法案はもっと不安だ。集団的自衛権について審議している衆院特別委員会で、先週安倍首相がポツダム宣言を読んだことがないことがバレてしまった。更に今週は志位共産党委員長に、後方支援中の応戦行為や退避の可否について質問されたが、支離滅裂な回答でオロオロしている。安倍首相自身が法案の内容を理解していないことがバレバレだ。一方集団的自衛権が憲法違反かを議論する衆院憲法審査会でも珍事が起きた。自公の集団的自衛権行使の法案は、憲法解釈の変更の範囲内であることを大前提にしている。ところが、与党が推薦した参考人である長谷部早大教授が「憲法違反だ。従来の政府見解の基本的な論理の枠内では説明がつかない」と明言した。何と与党案を根底から否定したのだ。与党は端から憲法違反は承知の上で強引に解釈変更で乗り切ろうとしているのが見え見えだ。更にオマケまである。衆院特別委員会で閣僚を追及している民主の後藤議員が泥酔して宿舎にタクシーで帰った時、降車拒否をして警官に降ろされ、宿舎の門にのぼろうとして転倒し頭や顔にけがをしたという。開いた口が塞がらない。自爆もあるし敵失もある。このような状況下で、安全保障法案を採決して良いのだろうか。マスコミも国民も、もっと声を上げるべき時だと思うのだが。
韓国で中東呼吸器症候群MERSの感染が拡大している。韓国で初めてMERSの感染者が確認されてから、すでに2週間も経ってしまった。MERSはインフルエンザより感染力はないが、有効な治療法がなく致死率がかなり高いので厳格かつ早急な対処が必要だ。今日時点で感染者は30人に増え、2人が死亡した。感染者と接触した隔離対象者は、1日で573人増え、1360人。拡大が止まらない。保健福祉省では「現時点で医療機関内での感染にとどまっている」と説明しているが、3次感染者が3人も出ている。韓国政府の言う事は当てにはならない。感染した韓国人男性が利用した航空機が、消毒されないまま名古屋まで運航している。厚労省は「すぐに日本に流入する状況ではない」と言うが事実に即していない。韓国の女性は自宅待機を命じられたのに300km離れたゴルフ場に遊びに行ったとか。最初の患者からの感染が疑われた男性は医師の反対を押し切って出国し、中国で隔離されて感染が確認された。中国が大激怒している。韓国メディアも漠然とした指示を出す朴大統領に批判を向けている。韓国では政府の対処能力に問題が有るし、国民は国の命令など聞かず勝手気ままだ。性善説に基づいて、韓国内での封じ込めが成功するとは、夢にも思ってはならない。厚労省が率先して具体的な防疫体制を築く時だ。今手を抜けば、日本年金機構への監督不行き届きと重なり、厚労相はレッドカードで退場。
義母が91歳になったので、カミサンと3人で義母の誕生会をした。我が家は2階建ての二世帯住宅で、1階に義母、2階に我等夫婦が住んでいる。共通するのは中階段だけで、普段は互いに独立した生活を送っている。義母は90歳を超えたが、毎日自力で食事、洗濯、掃除をしている。「身体が動けるうちは、身の回りの世話は本人がした方が気がしっかりしてボケ防止になる」というのがカミサンの母に対する思いやりで、義母の方もマイペースで暮らせることに満足しているようだ。今日は義母の誕生日を祝し、3人で街中の寿司屋で食事をすることにした。その寿司屋は通常の寿司屋ではなく割烹スタイル。味は良いが値段も良い。義母は60年前に当地に引っ越してきた頃の思い出話を始めた。当時からこの店は知っていたが入口の横に蛇屋があり、怖くて一度も入ったことがなかったとのこと。そこで寿司屋の大将が口を挟み「祖父が寿司屋と蛇屋を始めたんです。私は3代目になります。当時は近くに市役所があり、この通りも賑わっていたんですがね」と言う。こんな話がきっかけとなり、義母の昔話が始まった。義母は今でも年の割に丈夫で不自由なとことが一つもない。話が盛り上がるにつれ、義母の顔が増々生き生きとしてきた。食事も美味しく会話も楽しく若返りを兼ねた91歳の誕生会であった。
今日は衣替え。服装だけでなく法律も衣替えのようだ。スーパークールビズが始まった。アロハシャツで勤務する環境省の職員たちが放映されていた。相変わらずダサい格好だ。百貨店での商戦も本格化した。今年こそ脱ダサさを目指して欲しいものだ。改正道路交通法が施行された。飲酒運転や信号無視などの危険な行為を繰り返した自転車運転者に安全講習が義務づけられる。14歳以上が3年以内に違反切符を2回受けると講習が待ち構えている。受講しないと5万円以下の罰金。更に愛知県では運転免許を持つ者が自転車酒酔い運転で捕まると、30~180日間の免停になるルールが出来た。危険行為の周知徹底が出来れば、これを契機に今後自転車事故は減っていくことだろう。農林水産物や食品のブランドを守る「地理的表示法GI」が施行された。この制度で、産地の風土や伝統製法との結び付きがあり一定の品質基準を満たす産品を、知的財産として認定保護することになる。登録されるとGIマークの使用が認められる。不正使用は罰金や懲役などの罰則の対象になるとのこと。北海道の夕張メロン、愛知県の八丁味噌、鳥取県の砂丘らっきょ、長野県の市田柿などが早速申請したようだ。地域振興のため、差別性のあるブランド力を磨き、商売繁盛に繋げて欲しいものだと思う。