31日 7月 2017
トランプ劇場が果てしなく茶番劇を演じている。これまでの経過に推測を加味すると面白いストーリーになる。米大統領選でトランプがロシアにヒラリーのハッキングを頼んだことは間違いない。投票日直前にFBIがヒラリーのメール問題を調査すると言い出したのもトランプの差し金。その効果は抜群で事前予想をひっくり返してトランプが当選。だが後日トランプにはロシアゲートの疑惑が持たれる。だから当時のFBI長官を解任し調査を妨害する。でも疑惑が長引くため、トランプはプーチンに会い取引をした。プーチンから、トランプはロシアのハッキングや選挙妨害に関係が無いという言質と、ヒラリーの犯罪の証拠を貰った。ヒラリーの犯罪とは、国務長官時代にロシア系会社がカナダと米国のウラン鉱山を買収するのを認めた見返りに数百億円の寄付を受けたこと。バーターとしてトランプはプーチンに経済制裁の解除を約束する。プーチンの言質を得たのでトランプは俄然やる気になる。長男にロシアからは何も得られなかったと証言させ、一転してロシアゲートを調査するよう指示。ところが司法長官は調査を拒否。調査を行えばクリントン夫妻を牢屋に放り込むことになるのを知っていたからだ。多分アメリカの心が許さなかったのだろう。トランプはプーチンとの約束を履行しようとしたが、米議会が対ロ制裁強化法案を可決。圧倒的多数で可決されたため、トランプは拒否出来ず渋々サインした。激怒したのはプーチンだ。即刻ロシア駐在の米国外交スタッフ約800人を国外追放。物語は益々展開していく。現実と想像の世界の境界が分からなくなってきた。
30日 7月 2017
連合が揺れている。連合執行部が「脱時間給」容認を撤回し、政労使合意は見送りになった。安倍政権が進めている働き方改革の一つ「高度プロフェッショナル制度」とは、高収入の一部専門職を残業代支払いなどの労働時間規制から外すというもの。政府試案の「残業代ゼロ法案」は、高度専門職で、年収1075万円以上の人で、年間休日104日で、残業代はゼロ。これに対し、連合執行部は「連続2週間の休暇取得」「勤務間インターバルの確保」「臨時の健康診断」などを追加し容認することになった。ところが、下部労組の反対に遭い容認を撤回するハメになった。働き方は多様化している。今回の容認は、時代の流れに沿っていると思う。だが、問題は対象者の定義だ。年収1075万円以上という縛りはあるものの、経団連は400万円を提言しているし、塩崎厚労相は「小さく生んで大きく育てる」と明言している。蟻の一穴で、今連合が容認してしまえば、後は知るべしだ。連合執行部は脇が甘い。所詮労組組合長の成り上がり集団に過ぎない。ここは将来へ禍根を残すことなく、周知を結集し、多様性に対応した万全の改正案を作り上げるべきだと思う。
29日 7月 2017
久々なNHKのスクープだ。森友学園の土地代8億円ディスカウントの真相が明らかになった。森友問題の核心は、何故国有地が8億円もディスカウントされたかにある。国有地売却の当時の担当局長だった佐川理財局長の国会答弁は「記録は破棄した」「データはない」「政治家の関与はない」と「無い無い尽くし」だった。でもNHKの取材は生々しい。森友学園の弁護士と近畿財務局との売却価格協議の内容を初めて明らかにした。財務局が9億円の土地を「幾らなら買えるのか」と尋ね、森友側が1億6千万円だと答えると、売却額が1億3400万円に決まった。しかも、国有地売買契約は原則一括払いなのに、財務局側から分割払いを提案した。これがNHKのスクープの内容だ。もっとも、森友8億円問題は、日刊ゲンダイによって、1982年度大蔵省入りの仲間内で仕組まれたことは明白になっている。同期の迫田国税庁長官、武内財務省国際局長、佐川財務省管財局長がつるんで忖度(?)した事は間違いない。でも全ては藪の中。今更森友問題を追求する積もりは無い。だが、何と張本人の佐川が国税庁長官に栄転した。しかも霞ヶ関の人事を仕切るのが内閣だ。「無い無い尽くし」の論功行賞そのものと言える。出世の為には手段を選ばない輩を、税を取り立てる長にさせても良いのか。税金制度は、益々歪んでいくように見える。国民はなめられているのだと熟々思う。
28日 7月 2017
経産省が核ゴミの最終処分地選定に向け、科学的特性マップなるものを公表した。最終処分地としての適地は国土に7割あるという。地震大国でありながら7割とは、太っ腹だ。そんなに在るはずがない。では核ゴミについて考えてみよう。核ゴミとは、日本が日本のエネルギーを得るための原発から出た廃棄物だから、当然核ゴミは自国内で処理し貯め込むしかないのは理解出来る。今まで中間貯蔵施設の話はあったが、最終処分場の話はなかった。だが経産省は、いきなり科学的特性に基づく最終処分地マップなるものを公開した。原発を推進する政府が、今この時に核ゴミ問題を提起したことは褒めるべき事だと思うが、何故発表が今なのだろうかと疑念が湧く。核ゴミ貯蔵所の国際レベルの条件は、地下300メートルより深い岩盤に埋め、最大約10万年まで隔離するのが常識。経産省は当面火山と大きな活断層と地下資源の有るところは除外した。その結果として国土の7割が残った。でも残った7割の地下300メートルは未来永劫安全なのだろうか。日本は火山列島そのもの。火山噴火と大地震と供に生きている。日本人の実感として、日本には核ゴミを未来永劫に葬る所は存在しない。だからこそ経産省の今回の発表の裏を考える必要がある。推測すると多分、経産省は最終処分地を引き算で考えたのだろう。国内に必要でしょ。国内で比較的安全な地域はここですよ。後は皆さんが選ぶだけですよって。絞っていけば、後は世論が後押しする。最終処分地に選ばれた地域は、全日本からご推奨という烙印を押されるハメになる。
27日 7月 2017
プロ野球も中盤を迎え、形勢がはっきりしてきた。セ・リーグは広島がダントツに抜けだし、DeNAと阪神が2位争いに必死だ。巨人、中日、ヤクルトは既に今年を諦め来年の準備を始めたようだ。パ・リーグも状況は同じだ。楽天とソフトバンクがトップを争い、西武、オリックス、日ハム、ロッテは来年の準備というところ。野球ファンにとっては、DeNAと阪神との2位争いと楽天とソフトバンクとのトップ争いが焦点だろう。だが、自分はそれ程野球が好きな訳ではない。他に面白いテレビ番組が無ければ、仕方なく野球放送を眺める程度。だから野球ファンとは見方が違う。特に贔屓の球団も選手もいない。有名選手が出て来ても感動はしない。寧ろマンネリを感じてしまう。ところが、最近のプロ野球中継で面白い事を見つけた。来年の準備を始めた球団に多いのがルーキーの起用。入団して数年も経っていないルーキーたちだ。ルーキーにとっては千載一遇のチャンス。活躍が認められれば来年に繋がる。チャンスを生かせなければ次回のチャンスが巡ってくるのか分からない。だから必死だ。その真剣さと緊張感と青さがテレビ画面を通して伝わってくる。名前も知らない選手たちだが、自分が選手に感情移入してしまう。まるで自分がその場で野球をしているような感覚になる。これぞスポーツ中継だ。ルーキーたちが、野球の面白さの一面を教えてくれた。
26日 7月 2017
国会予算委員会の閉会中審査が終わった。案の定水掛け論に終始し、何の解明も得られなかった。加計学園問題は「記録」対「記憶」の戦いだった。一般庶民には「記録」が事実で「記憶」は信用出来ないのが常識。だが、政治の世界は「記憶に無い」が通用する程歪んでいるとみえる。野党は、安倍が加計の獣医学部申請をいつ知ったかに焦点を当てていたが、これが追求失敗の元。安倍が申請をいつ知ろうが問題の本質とは関係ない。加計が安倍のポン友であることも関係ない。安倍が加計学園を国家戦略特区の俎上に乗せるよう指示したとしても問題ない。要は、獣医学部新設が岩盤規制を打ち破るに値する案件かということだ。国家戦略特区とは、岩盤規制が及ばぬ特区を作り、新しい案件を試行して成果を評価し、著しい成果があれば規制を撤廃し全国に展開するためのもの。獣医学部新設が国家戦略特区の案件たり得るのかを審査すべきだった。国内畜産業は政府の無策により、牛や豚の生産数減少に歯止めがかからず、農家は疲弊するばかりだ。TPP交渉により将来に不安を覚えた農家が廃業に追い込まれ減少の一方だ。更に日欧EPAが追い打ちをかけている。農水省と日本獣医師会は、獣医師が多少偏在しているが不足はしていないと言っている。全国の畜産農家で獣医師不足を訴える人はいない。世界レベルで比較しても、日本の獣医師は不足していない。獣医師の人数と分野、畜産市場の推移と動向を示せば、自ずから問題点が明らかになる。不足しているのは、地方の公務員獣医師だけだ。その解決方法は獣医学部新設ではない。処遇の改善にあることは間違いない。ここまで解明出来れば、自ずから安倍の政治私物化があぶり出されることになる。結局、地に足が着いた政治家がいないことが野党の最大の欠点かもしれない。
25日 7月 2017
先週末、黒田日銀総裁が記者会見を行い「物価目標の達成時期を更に1年先送りする」と発表した。黒田が総裁に就いたのは2013年3月だから、もう4年半になる。デフレ脱却のため2年後に物価目標2%達成を掲げ、それには大胆な金融緩和バズーカ砲だと華々しく登場した。自分は金融経済政策に疎いから、政策の良し悪しは分からないが、結果は判断出来る。黒田はこの4年半の間に達成時期を6回も先送りした。しかも物価目標は未だに0%だ。誰から見ても落第としか言い様がない。しかも会見での言い訳が変だ。黒田は「個人消費の回復や雇用の逼迫で物価が上昇する条件が整いつつあるにもかかわらず物価上昇率が0%台に低迷したままなのは、企業や家計に巣くうデフレ心理だ」と分析している。もっともらしく聞こえるが、ちょっと待てよ。黒田の元々の目標はデフレ退治だった。であるのに4年半後の会見で、デフレ心理を退治出来ないから物価目標2%が達成出来ないと言っている。言い訳が言い訳になっていない。金融バズーカではデフレを退治出来なかったと言うべきだったと思う。だが、不思議なことに、政府からもマスコミからも専門家からも不満の声は上がってこない。元々目標設定と解決方法に間違いがあったのではないのだろうか。
24日 7月 2017
文化庁の京都移転が決定した。2021年までに7割の約250人が移り、残りの3割は霞ヶ関に残るという。中央省庁の地方移転は政府の「まち・ひと・しごと創生本部」が推進しているプロジェクト。人口減少社会に備えて「東京一極集中の是正」と「地方への人の流れをつくる」ことを目的としている。安倍内閣の目玉政策だった。当初政府は企業に本社機能の地方移転を呼びかけたが、石破前地方創生相が「政府機関も範を示さないと説得力がない」と発言し、中央省庁も地方に移転することになった。地方が7省庁の移転に手を挙げたが、結局移転するのは文化庁だけになってしまった。消費者庁、総務省統計局、特許庁、中小企業庁、観光庁、気象庁の話は立ち消えになってしまった。原因は、山本地方創生相の力量とやる気の無さと、地方転出を嫌がる官僚の頑強な反対だろう。山本にとっては、加計学園で首相にゴマを擂ることよりも中央省庁移転の方が政治家として大きな仕事のはずだ。だが山本から見ればゴマを擂る方が大臣寿命が延びるメリットがあると読んだのだろう。情けない選択だと思う。政府は中央省庁の地方移転をもっと積極的に推進すべきだと思う。しかも、直面する現場へだ。例えば、原子力規制庁と環境省は福島原発の隣に、観光庁は北海道と沖縄に、気象庁は災害多発県に分散等。単に地方に移転させれば良いというものではない。現場を直視し現実的に問題を解決してこそ省庁の仕事と言える。中央に座っているだけでは問題は解決しない。
23日 7月 2017
安倍内閣の支持率が報道各社で軒並み急落している。だが、報道機関各社の世論調査結果には特徴がある。4月時点までは各社が50%~60%台で並んでいた。ところが、5、6月になって動きが変った。毎日、朝日は6月に40%を割り7月には30%を割った。一方、読売、産経は6月に40%台を保持し7月になっても35%程度を保持している。世論調査方法は各社各様だから、必ずしも一致するとは思えないが、調査結果には各社の恣意的な要素が如実に現れている。読売、産経は安倍派で、毎日、朝日はアンチ安倍派。双方とも無理矢理ねじ曲げた調査結果とも言えそうだ。読売はジャーナリストとしての心を捨てて「前川前事務次官のJK通い」を報道し内閣を援護した。かくして読売の販売部数は更に急落することになった。産経の内閣高支持率は世論操作の積もりだったのだろうが、マイナスに働いた。産経の高支持率を信じたばかりに、内閣は支持率挽回の後手を踏んで取り返しがつかなくなっている。まさに贔屓の引き倒しとでも言うのだろう。一方朝日のアンチ安倍キャンペーンは目に余るものがある。新聞は主義主張を通して真実を伝えるものだ。主義主張のために決して真実を歪めてはならない。それが出来ないから、新聞離れが起きる。販売部数が減り続けているのは、活字離れなどではなく、新聞自身の使命の欠落ということを自覚すべきだと思う。
22日 7月 2017
世界の自動車シーンが電気自動車EVにシフトするなか、日本の自動車メーカーが苦境に立たされつつあるという。古賀元経産省官僚が警鐘を鳴らしている。世界の自動車産業は今、100年に一度の変革期。ガソリンエンジン車に代わり、EVが次世代カーの主流になろうとしている。だが、トヨタは水素を利用した燃料電池車の開発に力を入れている。主要各社は自動運転に集中している。でも日本各社の開発方向は間違いだと指摘する。ガソリン車からEV車へとシフトすべきと言っている。果たして、そうだろうか。古賀の指摘は、極めて短期的には正しいと思う。だが、中長期的な観点からみれば大外れ。道を誤る指摘をしている。確かに時代の流れはEVにある。では自動車各社がEVに向かえば良いのかというと、決してそうではない。何故ならEVとは、単に駆動力をガソリンから電気に変える変更でしかないからだ。革命の意味が違う。テスラを代表とするEV自動車産業の商売形態こそ注目すべきだと思う。テスラは全てネット受注で販売する。勿論カスタムオーダーもネット受注。最大の特徴は、販売代理店が存在しないことだ。販売代理店が存在しないことのメリットは何か。日本の自動車販売の場合、自動車販売の利益の半分は代理店が占めている。言い方を変えれば、自動車メーカーの出し値の倍で販売をしているということだ。ではその販売店が無くなったら、と考えるだけで自ずと勝敗は見えてくる。なにか懐かしい。ガラケーという素晴らしい携帯があった。あと数年もすると、トヨタもガラケー状態になるかもしれない。評論家とは、明日ではなく明後日を読む仕事だと思うのだが。