カテゴリ:201608



31日 8月 2016
欧州委員会がアップルに対し約1.5兆円の追徴税をアイルランドに納付することを命じた。勿論アップルは反対しているが、アイルランドも反対し、米国も不満を表明している。約1.5兆円の追徴税を受け取れば良さそうに見えるが、アイルランドは今の法人税制が経済政策の要であるから死守すると言う。アイルランドには米国企業だけでも700社以上が子会社を置いていて従業員総数は14万人もいるからだ。米国は欧州が米企業を標的にして世界的な税制改革を脅かそうとしていると不満を言っている。当の欧州委員会は、EUの国家補助規制に抵触していると主張している。国家補助規制とは、企業が政府の支援を得て同業他社より優位に立つことを禁じる規制だ。アップルの実効法人税率は03年の1%から14年には0.005%にまで引き下げられていた。0.005%とは極めて異常だと思うが、自分にとっては誰の言い分が正しいのかは分からない。これは合法的なタックスヘイブンの問題ではなく、違法性の問題だからいずれは決着が着くことだろう。だが自分はタックスヘイブン自体も問題だと思う。大きな利益を上げている世界のトップ企業が、実体のない書類上の本社を他国に置き節税に努めることは企業倫理として好ましいことではない。でも税金は納めれば最適に使われるとは限らない。であれば節税した分を学校建設などの使用目的が限定した機関に寄付すればよい。企業も社会に貢献したことになる。これぞ大企業と言うものだ。銭ゲバだけの大企業はいずれ滅びることになる、そんな時代が来てくれないものかと思うのだが。
30日 8月 2016
サムスン電子が新発売した大画面スマートフォンの充電中の爆発が相次ぎ供給が中断されたとのこと。リチウムイオン2次電池の出現でスマホなどの小型通信機器が飛躍的に使い易くなったが、相変わらずリチウムイオン2次電池の危険性は解消されていないようだ。リチウムイオン2次電池の危険性は、特殊な有機溶媒を用いた電解液にある。溶媒を水にするとリチウムによって電気分解してしまうので使えずエチレンカーボネートなどが使われている。だがエチレンカーボネートは燃え易いため火災や爆発の原因になるほか有毒性もあり厄介な溶媒だ。ところが、東大等の研究グループが、新しい水系の電解液を発見したと発表した。通常リチウム塩を水に混ぜるとリチウム塩は固体になってしまうが、特定のリチウム塩2種と水を一定の割合で混ぜると常温で安定な液体になることを発見したとのこと。スーパーコンピューターで解析した結果、全ての水分子がリチウムイオンに配位した状態で液体になる極めて特殊な液体構造になることが分かったようだ。水系電解質が産まれるかもしれない。水系になれば製造コストも下がるし、安全性が飛躍的に向上するはずだ。そうなれば用途も一挙に拡大する。リチウムイオン2次電池が生まれ変わる瞬間かもしれない。
29日 8月 2016
息子のレイプ事件で母親の高畑淳子が涙の記者会見。息子といっても22歳。もう一人前の大人だ。欧米人から見れば極めて奇妙な会見に映るかもしれない。だが日本では大人になっている子供の尻拭いを親がするのはある程度常識になっている。親としての気持ちは分からなくもないが、親は一度簡潔に謝ればよい。責任は全て子供にあるのだから。ところがマスコミが執拗に追いかける。息子の身から出た錆びとはいえ少し気の毒にも思う。では、親は子供を育てた結果に責任があるのだろうか。科学的な根拠に基づく「言ってはいけない:橘玲:新潮新書」の主張がユニークだ。「人は遺伝子と家庭環境とその他の環境」により人格が形成されると言う。影響度は遺伝子が50%で環境が50%。だが、家庭環境は親の使う言葉程度の影響しかなく、ほとんどがその他の社会環境だと言う。親は子供に口酸っぱく躾をするが、子供は親の思い通りには育たない。つまり、子育てや教育は子供の成長には関係が無いということだ。自分の人生を振り返ってみると、自分も親の意見などは聞かずに育った。確かに一理はある。この本は科学的根拠に基づく進化生物学や進化心理学の入門書のようなもの。「親の心子知らず」と嘆いているうちは、進化していないとも言えるかもしれない。
28日 8月 2016
運用総額約130兆円の世界最大の年金基金である年金積立金管理運用独立行政法人GPIFが、巨額の運用損を計上した。この1年間の日本株式の評価損益はマイナス13兆円を超えている。2014年10月からポートフォリオを大幅に入れ替え、日本株の保有比率を12%から25%と大幅に引き上げた。一時は株価上昇で利益は出たものの、現在は2014年からの累積収益率はマイナスに転落してしまった。大切な年金の原資が実質的に目減りしているのだ。GPIFは、EU離脱による円高や世界的な株式市場の下落や米雇用統計が事前予想を大きく下回ったこと等を言い訳にしているが、そういう問題ではない。年金をリスクの高い株式に25%も運用する事自体が間違っているのだ。しかも、GPIFと日銀を合わせた公的マネーが東証1部上場企業の4社に1社の実質的な筆頭株主となっているという。公的マネーは企業を選別せず、株価指数に沿って広く薄く投資するパッシブ運用が中心だ。業績の悪い企業も株価が上がるから、優良会社もダメな会社も見分けがつかなくなる。浄化作用が効かなくなる。公的マネーが日本株式の7%も占めている。損きりを始めて撤退に向かえば、崖を転がり落ちるように株式市場は暴落してしまう。最早公的マネーは市場から撤退することも出来ない。安倍政権の大失敗だと思う。それにしても、何故誰も騒がないのだろうか、不思議な世の中だ。
27日 8月 2016
ポケモンGOで初めて死者が出た。日本での初めての死者は徳島。前を見ていなかった運転者が若い二人の女性を撥ねた。二人は死亡と重傷。惨すぎる。現場は片側1車線の直線道路。運転者がゲームに熱中し前を見ていなかったと言う。その3日後には名古屋で横断歩道を渡っていた人が撥ねられ死亡した。運転手が運転をしながらポケモンGOをしていたが電池が無くなり、車内のシガーソケットから充電しようとしてよそ見をしたのが原因とのこと。最近は自動車を運転をしていて怖いと思う事がよくある。バックミラーから後続車の運転者の挙動がよく見える。スマホをいじりながら運転している姿をよく見かける。その時はヒヤヒヤものだ。追突してくれるなよと祈るしかない。何で自分が不運としか諦めなければいけないのだろうかと怒りが湧いてくる。10数年前に道路交通法が改正され、運転中の携帯使用に罰則が設けられた。当時は警官が目を光らせ携帯ながら運転を次々と取り締まっていた。その効果は絶大で、一時はながら運転が激減した。ところが、警察が手を抜くと、今ではながら運転が当たり前になってしまった。警察はネズミ取りをするより、ながら運転撲滅に力を入れるべきだと思う。ポケモンGOをきっかけに、再度ながら運転撲滅のキャンペーンを張ってほしいものだと願う。
26日 8月 2016
ワンセグ機能付きの携帯はNHK受信料不要と、さいたま地裁の判決が出た。「NHKから国民を守る党」の大橋朝霞市議がNHKの放送受信料を支払う必要があるかどうかの確認を求めた裁判だった。放送法には「受信設備を設置した者に受信契約の義務がある」とある。だが大橋市議は、ワンセグは携帯で設置ではないと主張。一方NHKは「設置とは受信設備を使用できる状態に置くこと」と反論。判決は、放送法条文で「設置」と「携帯」が分かれて定義されているので、携帯は「設置」ではないという結論に到ったようだ。極めて常識的だが、本質はそこには無い。決して文言の問題ではない。放送と情報の境の判断が極めて重要だ。放送から情報へと権力を拡大するNHKの姿勢を厳しく律する裁決をすべきだったと思う。受信料問題はもう一つある。NHKだけが映らない専用機器を取り付けて、受信料支払いを拒否してきた元船橋市議が、敗訴して東京地裁から受信料支払いの命令を受けた。判決理由は、専用機器が取り外し出来るからとか。逆に考えれば、不可逆的に取り付ければ、受信料を払う必要はなくなるという事だ。バカな判決だが、かなり一歩前進と言える。それにしても、日本の司法は程度が低過ぎる。一般国民が司法に望むことは、常識で判断してほしいという事だ。ところが、司法は現行の法律の中でしか判断しない。法律自体が間違っていようがお構いなし。そんな法律バカが「日本の常識」のような顔をして裁決する。おかしな世の中だと思う。
25日 8月 2016
台風10号が迷走している。19日に八丈島の近くで発生し、その後西へ西へと流れ今は沖縄の南大東島の南まで南下した。しかも中心気圧は950ヘクトパスカルと丸々と太り、最大瞬間風速60メートルの暴風が吹き荒れている。そのまま南の海で消滅してくれれば良いが、何とこれから進路を変えて北上し本土に上陸しそうだという。現在の予報通りに進むと茨城県に上陸し新潟に抜けることになる。発生場所が八丈島の近くというのも珍しいが、茨城県に上陸するのは史上初めてだという。変わり者の台風だ。お蔭で新潟旅行の日程が決まらず、大きな迷惑を被っている。それにしても、最近の天気予報士の説明は上手いと思う。台風10号が北上し日本を直撃する理由を、大陸と太平洋の高気圧の形状と偏西風の蛇行で極めて論理的に説明する。勿論納得してしまうのだが、いつも本当かしらとも思う。高気圧も低気圧も絶対的な気圧で決まっている訳ではない。常に相対的な関係で、気圧が高い所を高気圧、低い所を低気圧と言っているに過ぎない。高気圧は低気圧に影響を及ぼし、低気圧は高気圧に影響を及ぼしている。台風は高気圧の縁を進むと説明する。高気圧は山のように動かず、台風は谷間を流れる激流のようだ。でも台風が高気圧に与える影響はないのだろうか。天気予報を見ると、いつも台風10号のように頭の中が迷走してしまう。
24日 8月 2016
第一生命経済研究所の調査によると、先祖の墓に入りたいと考えている人は約4割で、墓はいらないと回答した人が2割とか。時代の流れとともに、墓はいらない人が増えているようだ。海洋葬や樹木葬、最近では宇宙葬なるものまであるそうだ。自分は三男なので両親の墓には入れない。かといって勿論自分の墓など手当していないし、する積りもない。自分は輪廻思想を信じている。死んだら生まれ変わるものと思っている。だから「千の風」と同じように、墓の中でじっと眠っていることはないはずだ。墓は単なる生きた証の記念碑だと思う。記念碑であれば、墓である必要はない。20年近く前から自分は海洋葬がいいと思っている。だが当時は海洋葬のルールが曖昧で、実現の可能性が低かった。でも最近は散骨のルールが確立しつつあるようだ。「墓地埋葬等に関する法律」には、散骨を禁止する規定は無い。一部地域の条例を除いて法規制の対象外とされている。また法務省は、散骨は節度をもって行われる限り、遺骨遺棄罪にはあたらないとの見解を示している。従って、散骨は個人の自由な判断に任せられていると解釈出来る時代になっている。自分は平塚の海が好きだ。平塚の沖合の迷惑の掛からない所に散骨してほしいと思う。更に出来れば高麗山にも撒いてくれるとありがたい。子供たちや知人たちが通りすがりに「この辺だよね」と偶に思ってくれれば、まさにそれが自分の記念碑になる。願ってはいるが、叶うかはカミサンの胸先三寸次第なのかもしれない。
23日 8月 2016
「反捕鯨団体シー・シェパードが永久に妨害をしないとの合意が成立した」とのニュース。これでやっと過激な妨害が無くなるのかと思ったが、そうではなさそうだ。日本鯨類研究所が米国の連邦地裁に訴えた裁判で合意が成立。日本が和解金を支払い米国のシー・シェパードは永久に妨害行為をしないという内容。金の力で強引にねじ伏せた感じだ。ところが、このニュースが流れると即座に豪州のシー・シェパード「そんなの関係ねぇ」と表明した。妨害活動の実行部隊である肝心の豪州のシー・シェパードにこの合意は及ばないとのこと。米国と豪州のシー・シェパードはそれぞれ法的に独立している。豪州のシー・シェパードからみれば「豪州で違法な日本捕鯨の妨害を続ける」ということだ。日本鯨類研究所は「米国からの資金や人材の提供が禁止されるので豪州の妨害活動には打撃になる」と指摘している。そんな効果が有るか無いか分からない裁判よりも、直接豪州で裁判を起こすべきだと思う。その場で、日本の調査捕鯨という行為に正当性があるのかをはっきりさせるべきだ。調査捕鯨には、税金の無駄遣い、鯨肉不要論、沿岸捕鯨の圧迫、天下り先、科学的根拠の無さ、政治献金、動物愛護等々の批判が山のようにある。この際、豪州で裁判を起こし、世界と日本の国民が議論を尽くし、調査捕鯨のあり方に決着をつけたらどうだろうか。
22日 8月 2016
リオで安倍首相がマリオとし登場した日に、首相夫人はハワイの真珠湾を訪れた。同じ日になったのは偶然だろうか、それとも計画的だったのだろうか。今年は真珠湾攻撃から75年目の節目の年に当たる。12月7日に安倍首相が真珠湾のアリゾナ記念館を訪問するかが注目されている。だが政府は慎重だ。首相の訪問は無いと言う。首相夫人の真珠湾訪問について、菅官房長官は「私的なものでコメントを控える。首相の訪問予定は全く無い」と言っている。リオのマリオはトップ記事になるが、夫人の真珠湾は記事には載らず騒がれないが事実として残る。巧妙な日程調整だと感じる。10月頃に、官房長官か外相が公式に訪問し、その反応を見て首相訪問を決断するのではないかと思う。米国トップの広島原爆記念館訪問の経緯が思い出される。広島原爆投下は今年で70年目の節目を迎えた。まずケネディ駐日大使が広島を訪問した。それに続きケリー国務長官が公式に広島訪問しトラブルもなく歓迎を受けた。その感触を確認した後、オバマ大統領の訪問が確定し実現した。首相の真珠湾訪問には賛否色々な意見がある。だが首相は真珠湾を訪問すべきだと思う。節目の年に訪問し、一つのキリをつけるべきだ。戦争の経緯を振り返る必要はない。双方にそれなりの理由があるのが戦争だから。ただひたすらに冥福を祈り謝罪してくれば良い。それで日本の戦後が終わる。この機会を逃すと、あと25年間も戦後が続くことになるかもしれない。

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