31日 1月 2016
巨大防潮堤計画が着々と進行している。岩手・宮城・福島3県の沿岸を総延長400kmにわたってコンクリート堤防で覆う総事業費約8500億円の「万里の堤防」計画だ。ところが、各地で住民の反対運動が起きているようだ。硯の生産やホタテ養殖で有名な石巻市雄勝町では、130億円をかけて高さ10m、長さ3.5kmの防潮堤が築かれようとしている。だが住民は高台に移転し防潮堤の中に住む人は殆んどいない。海と陸が切り離されてしまえば観光客も来なくなる。防潮堤により街が衰退するのは確実だ。でも住民の反対する声は聞き入れられず計画は進行中とのこと。大震災後に気仙沼大島をぐるりと高い防潮堤で囲む計画があった。気仙沼大島には学生だった半世紀前に行ったことがある。十八鳴浜の鳴き砂は有名で日本の渚百選にも選ばれた。小田の浜海水浴場は快水浴場百選のベスト3に入ったことがある。風光明媚な島だ。防潮堤がその景観の全てをぶち壊し、住民は毎日高いコンクリートの擁壁を見ながら生活することになる。松島湾では、農地保護を名目に20億円かけて無人島の耕作放棄地まで防潮堤で囲う計画があるとのこと。一体巨大防潮堤で何を守ろうとしているのだろうか。被災地の防潮堤は国が方針を定め、県が計画を決めることになっている。それを国が査定し、予算はほぼ全てを国が負担する。防潮堤事業は「命を守るため」と言えば、いくらでもカネを使える打出の小槌なのだ。そもそも防潮堤計画は拙速過ぎた。まずは防災・避難計画を策定した後に防潮堤を計画すれば、このような壮大な無駄遣いかつ自然環境破壊など起こらなかったに違いない。見直しは今からでも遅くは無いはずなのだが。
30日 1月 2016
黒田バズーカ3が炸裂した。今度はマイナス金利を導入するという。株式は乱高下したが株高に、為替は円安に動いた。バズーカ1と2は、日銀が国債を買い上げることによる通貨供給量の異次元規模の緩和だったが、今度はマイナス金利だ。民間銀行が日銀に預ける当座預金の金利をマイナスにするということだ。そのため、民間銀行からみれば、日銀に預金すると金利を払うことになるので損。だから日銀ではなく民間会社への貸し出しに向かうはずだという魂胆。日銀側からみれば論理的には正しいと思う。だが、民間会社はバズーカ1と2で、たっぷり内部留保を溜めている。今どき銀行から融資を受ける会社など有りそうもない。しかも投資をする先もないのが現状だ。日銀はボールを蹴ったが、それをフォローしてゴールに蹴りこむ選手がいない。その選手がアベノミクスの成長戦略だったはずだのだが。マスコミはマイナス金利なったからといって、民間銀行もマイナス金利になることは無いと言う。本当だろうか。論理的には、我々個人の預金もマイナス金利になるはずだ。銀行に金利を払って預ける人などいるはずがない。結果として、全ての人が銀行から預金を引き出すことになる。そして銀行は潰れる。そう思うのだが、誰もそう言わない。自分がバカなのだろうか。それとも自分以外の全員が自分を騙しているのだろうか。黒田マジックは難解だ。
29日 1月 2016
グーグルの囲碁ソフト「アルファ碁」が、始めて人間のプロ棋士に勝ったとのこと。チェスは大分前に人工頭脳AIが優位になり、将棋でも電脳戦でAIが勝ち越すようになった。AIにとって、囲碁は指し手が難しく、人間の最後の砦と言われていた。だが、ついに囲碁界でもAIが肩を並べる時代が到来したようだ。従来の囲碁ソフトは膨大なシミュレーションを繰り返すモンテカルロ法が主流だったが、グーグルの「アルファ碁」は、それに学習プログラムを導入。それが勝因のようだ。単に確率を計算するだけではなく、データや経験を自ら学習して、AI自身がそれを生かすことになる。今後の展開で最も有利な手を効率的に読めるようになったらしい。まるで、人間の棋士が持つ「大局観」そのもののようだ。これから学習を重ねるほど強くなるという理屈になる。囲碁界でAIが制覇するのは時間の問題かもしれない。だが待てよ。人間は、いくら学習したからといって、学習量イコール能力向上ではない。この違いは何なのだろう。いずれにしても、AIが人間の能力に置き換わる時代はやがて来る。将来、単調労働と高度な知識を必要とする医者みたいな仕事が、AIに置き換わるだろうと言われている。となれば、棋士の将来は明るくない。これから生まれてくる子たちは、AIの苦手の分野を探し求めなければならないのかもしれない。AIはステータスを確立しつつあるのかもしれない。
28日 1月 2016
甘利大臣が辞任した。重要閣僚でTPP協定交渉の中心人物だけに、その影響は大きそうだ。建設会社からURへの口利きの見返りに1200万円を受領し、そのうち数百万円が行方不明。辞任理由は、政治家の常套手段である秘書への責任の擦り付け。秘書が勝手にやったので罪は秘書にあるが、秘書の監督責任は自分にあるとして辞任するという。秘書は口利きを否定しているが、URは12回も面談したと証言している。考えられる罪状は、政治資金規正法違反、あっせん利得処罰法違反とのことだが、詐欺と横領もありそうだ。行方不明の数百万円が記載されていないので政治資金規正法違反。URに口利きして見返りを得たのであっせん利得処罰法違反。秘書が口利きを否定しているが、それが本当ならば建設会社に対する詐欺。行方不明の数百万円を秘書が勝手に使ってしまったのならば横領という具合だ。肯定しても否定しても罪は免れない。余りにも雁字搦めなのだ。甘利はTPPを妨害する第三国に填められたようにもみえる事件だ。徹底した事件の真相解明が必要だ。これを機にURを民営化すれば、再発を防ぐことが出来る。後任は折衝能力の劣る石原元幹事長だという。突如としてTPPの雲行きが怪しくなってきた。
27日 1月 2016
西日本では歴史的な寒波が襲来している。最大の被害は雪ではなく水道管の破裂。今日も広範囲で断水が続いており、復旧の目処も立っていないようだ。ところが、関東では、昨日の冷え込みとは打って変わり、温暖な日和になった。我が家では、去年まではカミサンと2カ月に一度は旅行を楽しんでいたが、義母の体調が思わしくなく、その旅行も途絶えてしまっていた。だが今年に入り義母の体調も回復し、義母から1泊程度であればOKとの回答を得て、久し振りに1泊旅行することになった。諸般の事情を考慮し、キャンセル覚悟で千葉の内房の人気の宿を予約した。ところが、関東の天候と同じで、義母も快調で、日和も抜群。朝から房総一周のドライブ旅行が始まった。東京ドイツ村でパターゴルフを楽しんだ後、元名海岸の宿に向かった。この宿は去年の4月頃に開業して以来、人気を博しているようだ。少し割高だが、天然露天風呂付き部屋を予約した。これが頗る良い。1泊ではあったが、多分7~8回は入ったと思う。対岸には三浦半島と富士山が見える。しかもクッキリと見えるのだ。夕日が綺麗だった。圧巻は富士山のシルエット。千葉からこんな富士山を見たことは無く極めて幻想的な気持ちに浸ることが出来た。東日本はこんなに素敵なのに、西日本にはどうして災いが降りかかるのかしらと思わずにはいられなかった。いち早い復旧を願わずにはいられない。
26日 1月 2016
アメリカ大陸で「ジカ熱」という感染症が拡大する恐れがあるとWHOが発表した。「ジカ熱」は蚊が媒介し、先天的に頭部が小さい「小頭症」の新生児がブラジルで増加していることと関連があるとみられているようだ。「小頭症」として生まれると、脳の発達が悪くなり、運動障害や知能低下を伴うことになる。ブラジルのある州では新生児の1~2%に達しているという。しかも、治療薬が無い厄介な病気だ。早期のワクチン開発が望まれる。まるでエボラ出血熱のデジャブを見ているようだ。エボラ出血熱の時も、有効なワクチンが無く患者を隔離して終息するのを待つしかなかった。西アフリカのエボラ出血熱もアメリカ大陸のジカ熱も、ほとんど知られていないローカルな病気だった。それがある時を境に、急速に全世界に拡大していく。全世界の医学の総力を挙げて早急に解決すべき課題の一つと言える。蚊の駆除は日本が得意だ。日本が貢献出来る出番もあるかもしれない。
25日 1月 2016
「日々の歳時記:夏生一暁:PHP文庫」を、日めくりで読んでいると毎日が新鮮な気持ちになる。今日25日は「主婦休みの日」とか。年に3回ある。1月と5月と9月の25日。年末年始、ゴールデンウィーク、夏休みの忙しい期間を過ぎた直後の給料日、という主婦の要望でサンケイリビング新聞社が制定したとのこと。我が家では、正月、ゴールデンウィーク、お盆の時期に子供達夫婦と孫の計12名が全員集合し1泊していく。食事や寝具の用意や洗濯など、カミサンの出番はピークを迎える。皆がいる時は休む間もなく動いているが、皆が帰ると疲れがどっと出て来る。確かに「主婦休みの日」が必要だ。だが、最近の若い人は共稼ぎが多い。専業主婦ではないのだから、家に集まるよりも、近所のレストランなどを活用しているのだろう。時代の流れから言うと「主婦休みの日」を要望する人は減少の一途を辿っているのかもしれない。でも我が家の周りを見回すと、隣の家も後ろの家も専業主婦だ。専業主婦が集まる特異的スポットかと思ったが、そうではない。我が家も含め周りも70歳前後の年齢なのだ。70歳を過ぎて働く女性は少ない。極めて日本の標準的な場所なのだ。「主婦休みの日」に高齢化社会を実感した次第。
24日 1月 2016
「第二の交番安全確保へ、防犯ボックスで開所式」というウエッブの見出しに興味を持った。防犯ボックスとは、どういうボックスなのだろうか、第二の交番とはどういう意味なのだろうか、上手い仕組みが出来れば犯罪も少なるはずだと思った。何か良いアイデアがあるのではと思い、早速クリックしたが「全文を読むには会員登録が必要」とのこと。会員登録には月額約5百円かかる。結局見ることは出来なかった。いかにも地方新聞のウエッブサイトらしいが、この種の情報でお金を取るとは言語道断だと思う。ジャーナリストの使命とは何なのだろうか。何でも記事にすれば、お金を取るというものではない。市民生活に有用なものであれば、無償でその情報を提供すべきだと思う。たかが地方新聞のニュースに月額約5百円もかける人は極めて稀だ。結局、この地方新聞は料金という壁を作って、市民に有用なニュースを御蔵にしているだけだ。有料登録制度がこの地方新聞の寿命を縮めることになるかもしれない。
23日 1月 2016
土曜日の昼は、家にいれば気楽なテレビ番組「正直さんぽ」を見ることが多い。今日は「女子正直さんぽ」で女子の出番。以前は、関根麻里、柳原可奈子、松岡茉優の3人娘にお笑いコンビずんの飯尾和樹が加わりオバサン女装で番組をリードしていた。我が街の市場にも来場し、お蔭で彼らが入った飲食店は大繁盛だとか。余りにも影響が大きく、自分としては少しだけ傍迷惑している。でもそれは全体としてプラスの影響だから、自分を除けば願ったりの状況だ。しかし、少し気になることもある。関根麻里が妊娠・出産で、父親の関根勤が麻里の代役として出演し始めた。関根勤に悪気は無いと思うが、飯尾和樹を喰っている。今まで飯尾和樹が番組をリードしていたが、関根勤が出始めてから、めっきり元気がなく口数も少ない。それもその筈だ。関根勤と飯尾和樹では、格が違う。たとえ関根勤が控えめに振る舞っても、視聴者の目は関根勤に向かう。飯尾和樹にとれば、関根勤は目の上の人。気を使わざるを得ない。自然と無口になる。関根勤は何故この番組出て来たのだろうかと思う。関根勤から見れば、産休中に娘のレギュラー番組が切れないようにと思う親心なのかもしれない。そしてその目的は達成するかもしれない。だが、レギュラーのメンバーにとっては、どう映るのだろうか。番組を潰している。こういうのを親バカと言うのだと思う。バカ。
22日 1月 2016
施設の命名権を売り、赤字を補てんする行政や企業が相次いでいる。存続が危ぶまれている銚子電鉄では、駅名の命名権を売り出した。笠上黒生(かさがみくろはえ)駅は、髪毛黒生(かみのけくろはえ)駅に改名された。命名権を買ったのは、頭皮ケア製造販売会社というから納得の命名だ。東北楽天イーグルスの本拠地である宮城球場は5回も改称し、フルキャスト、クリネックスなどを経て、楽天Koboに落ち着いた。余りにも変わり過ぎて今の名称が分からない。失敗の典型例だろう。大阪の泉佐野市は、何と市の名前の命名権を募集したが、応募ゼロで立ち消えになった。企業の良識が働いた結果だと思う。一方もっとユニークな命名権購入動機もあるようだ。鎌倉市が砂浜の整地費などを確保するため、数年前に由比ガ浜など三つの海水浴場の命名権を募集した。命名権を買ったのは鎌倉銘菓鳩サブレーでお馴染みの菓子メーカーの豊島屋。でも豊島屋は、鎌倉の海岸を「サブレー浜」などとは変更しなかった。豊島屋の購入目的は、由比ガ浜などを昔通りに名称を残すこと。破廉恥な行政対真摯な地元企業の対戦は、真摯な地元企業に軍配が上がった。心温まるエピソードだ。今度、鎌倉に行った時は、サブレーを買うぞと心に誓った。