30日 11月 2014
毎年恒例になった会社の同期会に行ってきた。44年前東京の研究所に初任配属され、未だに昔のまま気が置けない仲間で仲が良い。7名のうち2名が喫煙者だった。自分は嘗てはヘビースモーカーだったが30年ほど前にきっぱり止めた。自分は意志が強い方だと自負している。ところが、その喫煙者が「強い意志を持ってタバコを吸い続けている」と言う。逆説的なギャグではあるが、なるほど一理はあると思った。人間は成長するに従い見識を高めていく生き物だ。喫煙は身体に悪いから当然止めるべきもので、自分を律することが一つの見識と思っていた。しかし喫煙者には喫煙者なりの理屈がある。見識とは、物事の本質を見通す優れた判断力やそれに基づくしっかりとした考えだ。高めれば高めるほど良いと思っていたが、そうではないのかもしれない。見識とは一種の色眼鏡かもしれない。その色を濃くすることも大切ではあるが、バラエティのある色に付け替えることが出来る多角的な視野の広さこそ大事ではないのかと気付いた。ギャグで目が覚めた同期会であった。
29日 11月 2014
バチは当たるものかもしれない。3日前にHONDAの悪口を書いたが、そのバチが当たったのかもしれない体験をした。今日カミサンと近所のスーパーへ愛車のインサイトに乗って買い出しに行った。ところが駐車操作を誤りリヤバンパーを安全柵にぶつけてしまった。幸い安全柵は無傷だったが、愛車のリヤバンパーは負傷してしまったのだ。早速ディーラーに電話して修理することにした。我が身の未熟さの致すところで、しょうがないと言えばしょうがないのだが、何か心に引っ掛かるところがある。この駐車場は、もう100回以上も駐車した経験がある。いつも少し上り坂になった駐車場ではバック操作には気を付けている。ところが今日はアクセルを踏み込んだ意識がないのに車が急加速し、衝突音を聞いてからぶつかったことを認識した。一瞬まるで夢の中での出来事かと思った。まるで車が意思を持って動いたような気がした。傷ついたバンパーを見ながら、ふとフィットHVの不具合が頭を過ぎった。でもフィットの欠陥は発進や加速が出来なくなるのだ、急発進ではない。HONDAの所為ではない、自分の未熟さだと納得した。HONDAのディーラーに電話した時に、事故の内容を話した時の第一声が「お怪我はありませんでしたか?」だ。この言葉にホッとした。HONDAは再生するかもしれないと思った。そして言霊を思い出した。言霊は生きているようだ。くわばらくわばら。
28日 11月 2014
一か月ぶりにゴルフに行ってきた。当面100切りを目標に置いているが、残念ながら今回も101で終わった。前半は49だったので後半に望みをかけたが叶わなかった。後半の12番ホール、375ヤード、パー4の第3打が10cmほど足りずガードバンカーに捕まってしまった。結局バンカー内で4打も叩き、このホールは何と9。ゴルフにタラレバなしとは言うが、もし第3打があと20cm先に落ちていれば5打で上がれたはずだ。4打縮まれば97で上がれたのにと悔しく思った。しかし一方ラッキーもあった。大きく右にプッシュアウトしたティーショットのボールが、林の中で木に当たりフェアウエイまで跳ね返ってきたり、危うく池に入りそうなボールが辛うじて池際に止まるラッキーもあった。タラレバというと、もしあの失敗さえなければという意味で使うが、もしあのラッキーがなければ、と考える事は滅多にない。結局良いタラレバと悪いタラレバがあって、今の実力なのだと思う。タラレバの奥を見たゴルフであったような気がした。
27日 11月 2014
STAP細胞の小保方さんの再現実験が今月末に終了し結果が発表される。果たしてSTAP細胞は再現されるのか否か、興味津々だ。当時小保方さんは「STAP細胞は簡単に作れます」と言っていたが、最近恩師のハーバード大バカンティ教授は「決して簡単ではなく研究者のテクニックに負うところが大きい」と訂正している。しかし、簡単だと言い切った小保方さんが再現実験に失敗した場合の援護射撃にはならないだろう。一方小保方さんと同じ理研の研究員が、STAP細胞の存在を否定する論文を発表した。遺伝子の塩基配列の違いを調べ、STAP細胞はES細胞と酷似しているとしてES細胞混入の可能性を指摘した。更に栄養膜幹細胞も混じった可能性があると言う。小保方さんは絶体絶命の窮地にある。あと数日で審判が下ることになる。出来る事ならば、小保方さんの口から「ありました」という一言を聞きたいものだ。何故なら、長男の孫の顔が小保方さんに似ているからだ。これは判官贔屓ではなく、一種の依怙贔屓なのかもしれない。
26日 11月 2014
HONDAのインサイトに乗り換えてから5年が過ぎた。インサイトには満足しているが、買い替える時はHONDA以外のメーカーにしようと思っている。最近のHONDAの評判は極めて悪い。円安の追い風を受けて自動車メーカーは過去最高益を更新中なのに、HONDAの業績はマイナスで一人負けの状況だ。原因は新型フィットHV。発売後1年足らずで5度のリコール。電子制御システムの不具合で発進・加速が出来なくなる。まさに欠陥車だ。明らかな人災と言われている。その元凶が伊東社長。もともとHONDAは、新車作りは本田技研が担当し、その試作車を本社が買う仕組みになっている。創業者の本田宗一郎が本社の業績に左右されずに車作りに専念出来るよう開発部門を独立させたからだ。ところが、本社の伊東社長が本田技研にフィットHVの開発期間とコスト圧縮を命じ、未完成のまま強引に販売に踏み切らせてしまったようだ。これだけならば社長の首を挿げ替えるだけで問題は解決しそうだが、そうは問屋が卸さない。今の自動車業界の燃費競争は、エンジン設計と電子制御がキー技術だ。伊東社長はこの開発者を削減したばかりか、何とHONDAの電子制御の開発をしている子会社ホンダエレシスを売却してしまったのだ。昔は技術のHONDAと言われたが、既に面影はない。いつ止まるか走るか分からない自動車には怖くて乗れない。君子は危うきに近寄らず。
25日 11月 2014
衆院選が短期決戦になっただけ、各党はキャッチコピーで有権者を引き付けようと懸命だ。自民党は、赤地に白で「景気回復、この道しかない」と書き込み、今回の選挙はアベノミクスの信任投票だというイメージを打ち出している。争点がアベノミクスかどうかは分からないが、主張としては成功の部類だろう。公明党は「人が生きる、地方創生」から「いまこそ、軽減税率実現へ」に差し替えた。争点を一本化して分かり易くするのが狙いとのことだが、自民党が公約に軽減税率を盛り込んでしまったのでピンボケ状態だ。山口代表は、軽減税率を言い出したのは公明党が先とアピールしているが屁の突っ張りにもならない。軽減税率以外に庶民の味方になる政策は無いのかとヤジを飛ばされそうだ。民主党は、自民党と同じ赤を基調に「今こそ、流れを変える時」。流れを変えるとは「自民1強」体制を変えようという意味だが、野党間の選挙協力は進んでいないので実態と合わずキャッチコピーが勝ち過ぎている。赤は攻めの選挙をするために海江田が選んだらしいが、幼稚園の運動会でも敵組と同じ色は選ばない。自民党の赤に飲み込まれ、対立軸を増々不明瞭にさせている。せめて米国並みに赤と青の対決にすれば、敵味方がはっきりするのにと、民主党のセンスの無さにゲンナリする。というところで、衆院選のキャッチコピー戦は自民党が圧勝のようだ。
24日 11月 2014
長男と孫2人が、この3連休を我が家で過ごした。長男夫婦は共稼ぎで、しかも嫁さんはバリバリのシステムエンジニアだ。仕事と子育てで目一杯の生活をしているので、普段は勉強に充てる時間がない。だが仕事の性質上常に新しい知識と技術が要求される。新しい資格取得が必要になり、この3連休を集中して受験勉強に充てることになった。そこでこの間は長男と孫2人は実家に避難、ということになった。先週は七五三で泊まりに来て、また今週もということで、孫たちは自分の家にいるようにリラックスしている。iPadの取り合いになると7歳の孫が「ダメよ~ダメダメ」と言い、3歳の孫は「いいじゃないのぉ」とやり返す。孫はテレビでエレキテル連合を見たことはないが、学校で流行っていると言っていた。そう言えば、もうすぐ今年の流行語大賞が発表される。「ダメよ~ダメダメ」と「ありのままで、レリゴー」が2強らしい。今年の夏の孫たちは「ありのままで」の大合唱だったが、いまは「あ」の字もない。我が家では、今年の流行語大賞は「ダメよ~ダメダメ」に決定したようだ。
23日 11月 2014
いま現在の政治課題はアベノミクスでも消費増税先送りでもなく、消費税10%化、原発再稼働、集団的自衛権にある。庶民にとっては、消費税10%化が一番身近で原発が続き、自衛権が一番遠い関心事だ。ところが日本国民にとって重要なのは、集団的自衛権が一番で、原発再稼働、消費税増税の順になる。だから野党は、この衆院選を原発再稼働、集団的自衛権に絞り戦うべきなのに、アベノミクス解散という安倍の術中に嵌り手中で踊らされている。日本の行く末を思う政治家がいるのならば嘆かわしい限りだろう。余りにも予期せぬ解散で、与党も野党もあたふたとしている。特に野党は悲惨だ。民主の狼狽ぶりは目も当てられない。みんなの党の解党劇は地に落ちすぎて言うに及ばず。だめな野党の中で維新が光っている。いち早く政策目標を明確に掲げた。骨があると思う。しかし残念ながら政策は先行しているが実行部隊が貧弱で頼りにならない。いま一強の自民に対抗するには、野党の結束が必須。維新が争点を立案し、民主とその他大勢が参加して一大野党を結成すれば、自公と戦えなくはない。しかし、野党を結束させる人材はいない。人間には、敵よりも味方の粗が目に付くものだ。その小人さが日本を更なる地獄へと導いているように見える。
22日 11月 2014
安倍首相が首相の権限を使って衆院を解散した。大義がないと言われ続け、政権が辿り着いた結果が「アベノミクス解散」と取り繕った。第2次安倍内閣は発足してから3本の矢を掲げた。第1の矢が金融緩和で、第2が財政出動、第3は成長戦略。金融緩和は日銀の仕事で、黒田バズーカが2回も効き円安株高になった。財政出動で消費増税による落ち込みをマイルドにした。だが成長戦略はこれからだ。まずはバズーカと財政出動の結果でアベノミクスを評価しろと言う。これが表舞台なのだろう。ところが裏舞台から見ると面白い。バズーカ効果は一時的なもので長続きはしない。財政出動効果も一時的で、的外れな国土強靭化計画が実行されれば財政再建は最早不可能になる。効果があるうちに成長戦略を軌道に乗せる必要がある。ところが肝心の成長戦略は、当初の狙いとはかけ離れ、見事に骨抜きにされ見る影もないほどの惨状。岩盤規制がまさに岩盤であることを証明してしまった。安倍首相は詐欺師に近い。アベノミクスがどん詰まりであることを隠し、バズーカだけでアベノミクスを評価する解散だと言う。一方野党は、アベノミクスは成功したと内心では思いながら失敗したと声高に叫ぶ。本音では本丸の成長戦略の中身で戦いたいところだが、生憎ノーアイデアなのだろう。だから野党は一番大事な成長戦略にはノータッチ。ゴマメの歯ぎしり状態だ。結局与党が勝とうが負けようが、身のある成長戦略は生まれそうもない。しかしアベノミクス解散だと言う。白々しさだけが漂う師走選挙だ。
21日 11月 2014
今日は京都の紅葉の穴場を巡ることにした。まず向かったのは鷹峯の常照寺。その後源光庵、光悦寺、吟松寺から「しょうざんリゾート京都」の中を抜けて、御土居跡、今宮神社、大徳寺まで歩き、タクシーで実相院に向かった。源光庵は今年の「そうだ京都、行こう」のキャンペーン寺院だ。悟りを表す丸窓と迷いを表す四角窓。今年はこの丸と四角のオンパレードだ。例年であれば穴場的存在だが、今年はスポットライトが当たり過ぎていた。大勢の観光客が窓に向かって座っている。情緒も何もない。丸窓は凝っているように見えたが四角窓は只の窓。悟りも迷いも後付に違いないと思った。実相院は床紅葉で有名だ。3年前に「そうだ京都、行こう」のキャンペーン寺院になった。黒く光った床に紅葉が映って見えるのが趣だ。残念ながら1週間ほど早く来たためか、紅葉が今一なのか、床の磨き方が不十分だったのか分からないが、兎に角今一だった。だが今回の旅で一番驚かされたのが「御土居」だ。今まで見たことも聞いたこともなかった。タクシー運転手が教えてくれた。御土居とは秀吉が京都守護のため京都周辺に築いた高さ10mの土塁。秀吉は当時の京都の都市計画を推進した功績があるとのこと。大阪や京都の人が秀吉好きなことを納得した。学校で教える歴史は間違っている。年号ばかりが重要で、実態を映していないからだ。