12日 10月 2024
日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞した。授賞理由は、核兵器の無い世界を実現するための努力と、核兵器が二度と使われてはならないことを、証言を通じて示したことで、核兵器の使用は道徳的に許されないとする国際的な規範が醸成され「核のタブー」の確立に大きく貢献したこと、とされている。でも、そういう理由であれば、数十年前に授賞しててもおかしくない。何故、今なのだろう。世界情勢と被爆者年齢を考慮したのだろうと思う。プーチン大統領は、先月ウクライナに対し核兵器使用のハードルを引き下げる指針改定案を公表した。イスラエルはイランの核施設を標的にしている。核兵器保有国は兵器の近代化と改良を進め、一方で新たな国々が核兵器を手に入れようと準備を進めていると言われている。再び核兵器を使う危機が目前に迫っているのだ。更に決定的なのは、被爆者の高齢化だ。あと10年もすれば生き証人がいなくなる。核兵器の悲惨さが風化してしまうのだ。自分は、授賞の最大の理由は、生き証人の存在だと思う。日本も、生き証人のいる間に、核拡散防止条約の再検討会議に拘らず、核兵器禁止条約に参加すべきだと思う。
11日 10月 2024
何と公明党が、自民党から非公認とされた西村康稔元経産相を推薦すると発表した。西村は裏金作りの主導者だ。政治資金の不記載は総務相通達に違反するし、脱税そのもの。殆ど黒に近い犯罪者を推薦するというのだ。恐らく石井公明党代表は、公明票を上積み出来ると考えたからなのだろう。これほど理に合わない事までして、何になるのだろう。国民感情を逆なでするだけだ。平和と安全を是としていた公明党は、山口代表時代に防衛3法を認め、日本が戦争に参戦することを容認した。そして今度は、石井代表が殆ど黒に近い犯罪者を推薦するに至った。公明党の支持体である創価学会の信者らは、公明党の変質を如何に評価しているのだろうか。多分、創価学会の公明党離れが進むに違いない。もし進まなければ、党是「平和と安全」を「戦争と無法」へと変更すべきだと思う。
10日 10月 2024
日本のポスドクの就職率は相変らず低迷したままだ。日本の大学院博士課程を出ても就職先が見つからない。たとえ優秀でも仕方なく大学院に残り、院生の手伝い程度の仕事をしながら研究を続け、薄給の不安定な生活を送ることになる。欧米では、ポスドクはトレーニング期間として浸透していて、任期を終えた後は正規の研究員として、それぞれの研究を進めていくのが一般的だ。ところが日本ではそうならない。企業がポスドク採用を避けるのだ。入社した新卒を入社後に再教育して企業風土に馴染ませる慣習があることと、元々研究内容に重きを置いていないからだ。ところが、熊本に半導体工場を作ったTSMCが、ポスドク獲得のため全国行脚を始めたという。TSMCは役員28人のうち17人が博士号を持っている。TSMC幹部は「日本人は想定より働かないが、博士号を取得できる学生なら違うはずだ。昼夜を問わず研究開発に没頭できる人材を探している」と述べている。TSMCの動きで、日本の経営者がやっとポスドクの価値に気付くかもしれない。もし気付けばウインウインの関係が築かれるのだが。
09日 10月 2024
闇バイトが絡む強盗が再び頻発し始めた。闇バイトが絡む強盗・殺人事件は1年前のルフィ逮捕で終焉したかにみえた。ところが、全く同じ手口の強盗事件が再発したのだ。ルフィの時は凶悪な殺人事件だったが、今回は強引な強盗がメインだ。しかも、空家を狙うのではなく、住民がいる時を狙い、暴行によりお金の在りかをハカせるのだ。確実に金品を得るために悪い意味で進化しているのだ。何と「トクリュウ」と呼ばれるようになったのだ。トクリュウとは、警察庁が「SNSを通じて募集する闇バイトなど緩やかな結びつきで離合集散を繰り返す集団」と定義した組織犯罪の匿名・流動型犯罪グループの略称とのこと。従来型の反社会的勢力のような統制がないため、勢いに任せて犯行に及ぶのが特徴だ。しかも、捕まるのは指示役の顔をも知らない闇バイト応募者。一度応募すると、逃げれば殺すぞと脅かされ、足が抜けないようになっている。警察は打つ手が無いようで手をこまねいている。警察はネット犯罪対応に大幅な後れを取っている。ホワイトハッカーなどを雇って、体制を立て直すべきだ。残念ながら、住民は取り敢えず自衛するしかない。
08日 10月 2024
英誌エコノミストが「日本の官僚の凋落」と「霞が関のブラック度」について報じている。かつて強大な権力を握っていた日本の官僚は、いまや憧れの職業ではなくなったという。その過酷な労働環境から「ブラック霞が関」とも呼ばれ、若く優秀な人材がスタートアップ企業へ流出している。キャリア官僚の採用試験の志願者数が激減し、かつ採用後10年未満の退職者数が2年連続で過去最多を記録したのだ。とは言え、日本の政策決定プロセスにおいて官僚は依然として非常に大きな役割を担っている。国会議員が抱えるスタッフは少なく、政策立案のサポートを官僚に頼ることが多い。国会答弁のため国会議員がキャリア官僚を酷使し、ブラック化しているのだ。しかも、閉鎖的で年功序列に基づく昇進制度が新人のキャリアパスを制限している。このままでは霞が関の空洞化は免れない。霞が関は多くの幹部職を、専門知識と実績に基づいて外部から登用できるようにすべきだと提言している。英誌がこのように報道しているのに、国内のマスコミは口を噤んだままだ。日本が良くならない要因の一つが見えてきた。
07日 10月 2024
石破首相がブレまくっている。衆院解散は予算委員会が終了してからと言っていたのに、早々に解散に打って出た。アジア版NATO創設と日米地位協定改定に関し、画期的な提案を行なっていたが、首相になったらトーンダウンしてしまった。筋論と現実論の狭間を彷徨っている。いざ首相になれば現実的な対応が待ち構えている。本来は予算委員会が終了して内閣の全貌が見えてから、国民の評価を受けたがったに違いない。まるで「初めてのお遣い」状態だ。致し方なかろう。日米地位協定を改定すべきという意見は正しい。日米同盟の基本は「アメリカが日本の安全を守り、日本はアメリカの経済を守ること」だが、アメリカが日本の安全を守るための条件が余りにもアメリカファーストになり過ぎている。米軍は日本の領土内を勝手気ままに使っている。首都に米軍基地がある先進国は日本だけだ。羽田空港も大きな制約を受けている。これは早急に是正することが必要だ。しかし、是正を進めるために日米同等の立場につくことから始めるべきと言う。石破の是正プロセスは過激過ぎる。石破のアジア版NATO創設と日米地位協定改定は、日本を戦争に巻き込む道に繋がっている。石破の功績は、日米地位協定を見直す機運を高めつつあることだけだと思う。
06日 10月 2024
我が家では、タマゴを毎日欠かさず1個食べるが、2個になることは殆どない。カミサンがコレステロールの摂り過ぎになるという信念を持っているからだ。ところが「長生きたまご:鎌田實:サンマーク出版」によると、ドクターストップなどが出ていない人なら、1日3、4個食べてもOKとのこと。昔は、タマゴはコレステロールの素と言われたが、今は否定されている。コレステロールの7~8割は肝臓で合成され、残りの2~3割が食事由来なのだ。食べて摂るコレステロール量と、血中コレステロール値の上昇の因果関係は明らかではないと判断されている。食事で摂るコレステロール量が増えると、それに対応して肝臓がコレステロールの合成を減らして、血中濃度を一定量に保とうとする仕組みが分かったからだ。タマゴには善玉コレステロールを増やし、悪玉を減らす効果がある。コレステロールが欠乏すると、細胞膜や血管が弱くなったり、免疫力が低下したり、脳出血なども起こりやすくなる。高齢者はコレステロールが高い方が長生きするというデータもある。この事実を知らなかったので自分はコレステロールを下げるためスタチン系薬を服用している。ところが、スタチン系薬には体の炎症を抑えたり、肝臓の線維化を防いだりする効果があり、脂肪肝や肝がんの予防になるという。まずはカミサンを説得して、タマゴ2個の生活を目指そうと思う。
05日 10月 2024
米大統領選が間近に迫ってきた。トランプ候補の支持者代表として黒人やヒスパニックが登場することが多い。何故、ヒスパニックが白人主義者のトランプを支持するのだろうかと以前から不思議に思っていた。すると毎日新聞の記事「元不法移民がトランプ氏に投票する理由」に一つの解があった。ヒスパニックは従来移民に寛容な民主党の支持者が多いとされてきたが、最近は厳格な国境管理を主張する共和党の支持者が多くなりつつあるという。かつては不法移民だったが米国籍を取得した元不法移民は「不法移民が新たに流入すれば、仕事も奪われ、治安も悪化するからトランプを支持する」と言っている。何かやるせなさを感じる。まるで芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を彷彿とさせる。お釈迦様は、蟻を助けたカンダタに対し極楽から地獄に蜘蛛の糸を垂らし救おうとする。カンダタは登り始めるが、後から後から他の罪人が登ってくる。糸が切れてしまうのを恐れ、カンダタが「この糸は俺のものだ。降りろ」と叫いた途端、糸が切れて再び地獄へ落ちてしまったという話だ。さて、モシトラが実現した場合、トランプは如何なるヒスパニック政策を取るのだろうか。それが問題だ。
04日 10月 2024
遂に大谷選手が、50本ホームラン+50盗塁を達成した。MLBで40+40を達成した選手は5人いるが、50+50はMLB史上初めてだ。更に大谷は54+57に伸ばし、途轍もない記録を更新した。ドジャースのロバーツ監督は「全ての野球選手の頂点を極めようとしている。誰もやっていないことを成し遂げるのだ」とコメントしている。更に、監督は「自分への期待にうまく対処するには、特別な人間、特別な頭脳でないといけない。大谷はチームの勝利に貢献することに集中している」と、大谷の人間性にまで言及している。通常人は己の限界を知っている。でも、大谷は自身に限界を作らない稀有な人物なのだろう。話は変わるが、日本の高齢化は進んでいる。今年は1971-74年頃生まれの団塊ジュニア世代が全て50代を迎えることで、50歳以上の人口が5割を超え、フィフティーフィフティー時代を迎える史上初の国となると言われている。こうした社会背景から、病院や施設に入る際の手続きや、葬儀、遺品整理など、高齢化社会に対する新たな支援制度も検討されているようだ。しかし、同じ50+50でも、50代以降も大谷のように自身に限界を作らない生き方を思考すべきだと思う。
03日 10月 2024
10月7日から今年のノーベル賞の発表が始まる。化学賞の候補として名前があがっている1人が、信州大学の堂免一成特別特任教授だ。太陽の可視光で水を分解し、水素と酸素を作る光触媒を開発した。水素は燃えても水になるだけで環境への負荷が少なく、次世代のエネルギーとして、自動車をはじめ、さまざまな分野での活用が期待されている。従来技術として、天然ガスのメタンと水を反応させて作る方法はあるが、製造過程で二酸化炭素も発生してしまう。二酸化炭素が発生しない電気分解で水素を作る方法もあるがコストが高い。堂免教授の方法は、どこにでもある水と太陽の光からエネルギーを取り出し、しかも二酸化炭素を発生させない夢の技術だ。先月ノーベル賞の登竜門とも言われる「クラリベイト引用栄誉賞」を受賞した。クラリベイト引用栄誉賞が贈られたノーベル賞受賞者には、本庶佑氏や大隅良典氏、山中伸弥氏がいる。この光触媒は山中伸弥氏のiPS細胞に匹敵する画期的な技術だと思う。今年がダメだとしても数年以内にノーベル賞を受賞することが期待出来る。

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